茂手内埜加(モテナイ ノカ)は仕事が終わりロッカーへ戻り一応スマホを見る。
そしてバッグに入れていた美コラBBを取り出す。
ん? 量が違う? もっと減っているはずなのにそれより気持ち増えているようで……
こういうことも考えて毎日撮っていた画像を確認する。
やっぱり量が増えていた。
まさかと思い、誰もいないのを確かめてから飲んでみると、
「わっ、何これっ」
薄まってる!? ていうかほぼ……水!
何で? どうして? 誰かが勝手に? 私のロッカーを開けて……!?
血の気がひく。
「1週間もたせないとリバウンドするのに……」
埜可は頭を抱える。
そして、美コラBBの裏面の文字を再び確かめると。
……万が一、本人のミスではなく事故などで中身を失った場合は、その責任は損害を与えた相手に負わせることが出来ます。
負わせる場合はこの瓶をそのままロッカーへ置いてお帰り下さい。
それが出来ない場合はリバウンドを受け入れるか、または新たな自販機ガチャで飲み物をゲットして下さい。
「ええっ!?」
注意事項が変わっていた。
最初はこんな文言など、どこにも書いていなかったはずで……
「え、え、え、どうしよ~~」
埜可は迷う。
大体、この美コラBBの中身を水にしたのは誰なのか気になる。
だが……少し冷静になってくると、埜可はその水になった美コラBBをロッカーへ置いて行く選択を選んだ。
そして……
「しばらく、三菅住和与(ミスガスワヨ)さんは体調不良につき休職するそうです……」
それを聞き、埜可は住和与がしたことだと把握する。
住和与は勝手に埜可のロッカーを開けて、スマホだけではなく美コラBBをなめたとはいえ、口にしてしまった。
その為、顔がキレイになるもののその後埜可に嫌がらせをする為に中身を捨てて……
当然、1週間もたせないといけなかったわけなので、その代償としてのリバウンドは住和与が受けることになってしまったのだ。
顔は酷くぶつぶつになり、髪の毛はガサガサにそして全身の肌荒れも酷くなり、そして乳房は垂れ下がっていた。
どうやって戻せばいいのか、絶望するはめに……
埜可はおかげでリバウンドを免れた。
体はどこもかしもキレイなままだった。
そしてあの美コラBBの瓶はロッカーに入れたのに無くなっていて……
その瓶は密かに住和与の部屋の隅(スミ)に移動していた。
その瓶を見つけた時に、住和与はやっと自分の代償に気づくことだろう。
対する埜可は、この機に美貌を武器に会社で勢力を伸ばし、影では人を陥れるような性格の悪さを発揮することになる……
続き