「はあ~~~、1日長かった~~~」
家に帰ると、即座にベッドへ倒れ込む。
あれから学校での紘夜は……大変だった!
休み時間になると、女子達の塊が数メートル距離をとりながらついて来て……
で私と紘夜が移動する度に女子の塊軍団はいて……
こちらが止まると、あちらも止まる。
ある意味、だるまさんが転んだ状態に。
でお昼は相談室へ逃げ込み、やっとついてこなくなった。
当たり前だけど……
で紘夜も甲本先生も人間の時は人間の食べ物を食べていた。
「それなりに我々も人間に近しくなろうと訓練はしているんですよ」
甲本先生は事もなげに答えて見せる。
く、訓練って……⁉️
う、ますます判らん!
「とりあえず、早くコウモリに戻りたいと願うのであれば、命の恩人の人間の願い事を叶えることですよ」
再度、甲本先生に念を押されてしまう紘夜。
途端、
「だあ~~~! 判っているわ! もちろん判ってるって!」
やっぱり紘夜の本性はこれだよ。
紘夜の敬語はかなりキショイ。
「でお前の願い事は何だ? 行ってみろ!」と紘夜。
うわ~~! 単刀直入かよ!
「急に言われても……判んないよ~」
私はさすがに泣きそうになる。
「何かあるだろう?」
紘夜の顔がすぐ目の前で私を見て、赤面しながら、近い……近い……近い!
「近過ぎっ!」
思わず、紘夜の頭を右手でグイッと持って遠ざけた。
もう止めて……
「何だよ!」
やっぱりキレ気味になる紘夜。
それをみかねた甲本先生は、
「まーまー、紘夜様、無理強いはいけません、一緒に生活していくことで見つけるのですよ」
甲本先生に諭される。
「何だそれは? まどろっこしい!」
やっぱり突っぱねる紘夜。
「すぐには見つからないものですよ、そういうのは……」
甲本先生はやはり優しく微笑む。
何だろう? すぐ脇に天使と悪魔がいるみたい。
続き
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