残念な食品会社の会社の実情(後編)


 それでは前回の続きをお伝えします。


なぜ生産設備をメンテナンスしないのか?

 最大の理由は会社にお金が無いからです。おまけに生産設備をメンテナンスする為に止める時間も無いからです。これはあまりにもずんすぎる運営状況です。


 当方の仕事は製造工場向けの一部の機械を販売する事もあります。当然導入後は定期的なメンテが必要になりますので納入頂きましたらその後のサポートを色々やらせて頂きます。車みたいに年一度の部品交換や点検が必要なのでそれに伴い必要になる費用をお見積もりとしてご提案します。基本各製造工場は、最低限の修理やメンテが出来るような技術者を自社で雇ってますので最低限は自社でされてる会社がほとんどです。ただ自分達できる事には限界があるのでそこ関してはお金を払って外注の専門業に依頼する必要があります。


 確かにここ数年は急激な原材料、運送費、光熱費などなど、製造業は大変厳しい状況に置かれているのは分かります。

よく言われるのは、その値上げ分を商品に価格転嫁出来ないから自社の利益が減り続け設備維持費用が捻出出来ないと。

初めの頃は大変だろうから、何か緊急修理依頼の際も出来るだけ最短で対応しようと思っておりました。ただそれが何回も何年も続いてくると正直対応出来なくなります。こちらからの予防保全の必要性と金額は提示してるのに毎年予算取れないから出来ないと言われ続けて、壊れたらすぐになんとかして修理してくれ、費用は最低限しか払えないと自分たちの都合しか言わない会社があります。

仕事はボランティアではありません。

お互いの信頼関係の上でこそ商売が成り立つわけで、商売をお互い続けていくためには当然その分のお金を支払っていただく必要があります。

金は無い、壊れた時だけすぐなんとしてくれ、それも最安値で。

はっきり言って設備予算確保出来ないのは、その会社の危機管理能力が足りなく、製品に価格転換出来ないのはその会社の商品営業力不足としか思えません。

 残念ながらこの様な綱渡りの食品会社は長くは持たないと思います。我々業者も利益を確保出来なければ会社運営出来なくなります。今はお客様は神様では無く、業者もお客を選ぶ時代です。

無理ばかり言う会社は結局自分達の首をしめるだけで、最終的には付き合ってくれる業者が無くなり困るのは自分達なんですがね。

それに気づいてない、気づいていても改善できない会社には残念ながら未来はないと思ってます。

 昔は何でも安ければ良いという考えで質より量と言う考えだったのでしょうが、今はただ安いだけで美味しくないものは買いたいと思えません。

同じお金を払うなら量が多少少なくても満足度の得られるものを買います。同じお金を払って今まで2回食べていたものでも、美味しければ一回に減らしてもその方が満足度は高いです。多少高くても、美味しいものや魅力のあるものにはお金を出します。

食品中小企業も自社の商品に付加価値をつけられなくなると今後は生き残れないでしょうね。

ただそういう爆弾企業はいずれは限界くるだけです💣


 これが今の食品中小企業の現実です。