今年のメジャーリーグは、初めてシーズンを通して楽しんだ。昨シーズンはドジャースの試合を翔平君の40-40辺りから見始めて、最後はワールドシリーズ制覇までを見届けた。今年は、翔平君や由伸君、そしてこれからが楽しみな朗希君と日本人選手3人が所属していることで、シーズンの頭から全力で応援した。


 昨日、日曜日にNHKで放送された、進化を続ける翔平君を特集した番組を観た。その中で、ドジャースのチームとしての強さ、団結力にもスポットを当てていた。対ブルージェイズのワールドシリーズ第三戦、延長18回の死闘でのこと。前々日に105球で完投勝利を挙げた由伸君が、何とブルペン入りをして19回以降の登板に備えたのだ。体は重く、筋肉は張り、力を入れて投球すると腕が痛む。そんな状況下で肩を作り続ける由伸君。18回にサヨナラホームランを放ち激闘に終止符を打ったファーストのフリーマンが、試合の後にコメントした。「ヤマモトに投げさせるわけにはいかない」と。僕はこのコメントが流れた時に胸が詰まった。


 以前『エースになった日』でも書いたが、野球は気持ちがあればいいピッチングができたり、いいバッティングが出来るほど甘いスポーツでは無い。しかし、気持ちが伴わなければ何も成し得ないと言っていいほどモチペーションが鍵を握るスポーツだ。

 ぎりぎりのタイミングでライナーに飛び込む外野手。スーパーキャッチの後、素早く体制を立て直してホームインを阻止する内野手。必死の形相でランナーの生還を阻むピッチングをして雄叫びを上げる投手。その他、アウトになるもののファーストまで必死に走ったり、一つでも先の塁へと果敢に走るベテラン選手など、挙げるとキリが無い。

 それらひとつひとつのプレイが周りの選手を刺激し、奮い立たせ、試合全体を通して流れる気迫が勝敗を左右する。


 今シーズンは閉幕したが、また来年も期待したいと強く思う。


 勝敗だけでは無い。気合のこもった、感情のほとばしる瞬間に出会える事を。