『風の画家』と称される中島潔さんは、女の子を題材に髪が風に靡く様子を繊細に描くことで有名である。その中島さんがNHKで取り上げられたので紹介したいと思う。


 令和を生きる女性達にフォーカスした作品には、流鏑馬に挑む女性や鷹匠として活躍する女性などが登場する。そこに表現された女性は、細い線と濃密な色合いで描かれ、全体として流れる様なフォルムを感じさせる。

 特筆すべきは『眼』の力である。男の世界といわれてきた職業に挑む女性達は、男性の世界が羨ましいとか男性を見返したいという思いではない。大好きな『何か』に出会い、知らぬ間に夢中になり、自らの全てを一点に集めて力を解き放つ。

 中島さんは、男性女性関係なく、やりたい事に突き進む女性達を描く事を通じて、偏見なく女性を認めることが必要だと話していた。男女平等が謳われて久しいが、いまだに女性であるが故の壁が存在する事も確かである。


 描かれた女性達の中に、青森市のねぶた師、北村麻子さんがいる。女性初のねぶた師として注目を集め、程なくして彼女にしか表現できない鮮やかなねぶたを持ってして最高賞を受賞する。今も子育てをしながらねぶたを作り続けている彼女も、中島さんの絵と思いに強いインスピレーションを受けたと言う。



 青森県人で彼女を知らない人は居ないと言っていいだろう。それだけねぶた師として邁進する彼女は力強く美しい。


 描いて下さった中島さんに感謝したい気持ちと、皆さんにも北村麻子さんと彼女のねぶたに触れて欲しいと強く感じる。


 是非ともこの眼で観たい作品だ。