娘から勧められて、テレビ東京で5年ほど前に放送された『きのう何食べた?』を観た。何と、2日間で12話。年齢的に珍しいと言える一気観をしたことになる。

 描かれているのは、ゲイだと自認する男性2人の、食事を中心とした普段の生活と、時にはぶつかり合いながらもお互いを思いやり、自分の良くないところを直そうとする2人の素直さだ。小さなエピソードを挟みながら、普通の人たちから見たゲイの人達の立場のあやうさ、もろさが同時に描かれてゆく。

 弁護士であり、きちんとした人というか、普通の人に見られることを第一義とする西島秀俊くん演じるシロさん。変な目で見られたくないという気持ちがこころの中にいつも渦巻いている。しかしながら、弁護士としての仕事はほどほどにこなし、時間通りに終われる量にしているところが面白い。

 一方の内野聖陽くん演じるケンジは、自分がゲイであることを周囲に隠そうとしない。美容師として働きながら、いつもシロさんのことを思いながら、ついのろけてしまいそうな可愛らしさがある。

 性的マイノリティであるだけで、他は何も変わらない。劇中、異性間と同じように愛して、時には一緒に暮らしている多数のカップルも登場する。見ていると、男性と女性であれ男性同士であれ、相手を好きになり一緒にいたいと思うことは当たり前のことだと思う。


 今、財産の継承や世帯の考え方、そして婚姻関係を認めるかどうかで法制審議会が設けられたりもしているが、どうも進み具合が遅いと感じる。


 早いこと、誰でもが差別なく幸せだと感じられるよう、法的にバックアップしてほしいと思う。


 人は生きている。楽しく活動できる年月も寿命も限られているのだから。