暖かくなるとどこかに出かけたくなる。そわそわして、妻とあれやこれや相談する。春の八甲田の雪の回廊、弘前城のお花見、岩木山麓の菜の花畑、新緑の十和田湖、ベンセ湿原のニッコウキスゲ。全ての光景が鮮やかに浮かぶ。
子供の頃はまさに昭和の時代で、親戚がよく集まり、宴会になり、ギターを持ち出してみんなで歌を歌っていた。時には酔いが回ったある叔父さんは口が悪くなり、捨て台詞を残して帰って行った。
お墓参りは僕たちにとってはまさにピクニックだった。青森市の三内霊園では父方の親戚が集まり、浅虫の寺の墓地には母方の親戚が集まった。そしてシートを敷いて宴会が始まる。
二段のお重にたっぷりのおかずが入っていて、おにぎりは一人2個ずつ行き渡る個数なので、大量になる。そしてそれらが家族の数分あるのだから、あっちのおかずをたべてこっちのおかずも食べてと豪華極まりない。
車を運転しないおじさんやおばさんはビールを飲み、やがて日本酒を飲む。子供たちはひとしきり食べると、久しぶりに会ういとこ同士が集まって鬼ごっこを始める。そういった時を3時間ほど過ごして、散会する。家に帰ると、残ったおかずとおにぎりで夕ご飯を済ましたりしたものだ。
懐かしい昭和の時代。今でも目に浮かぶ当たり前の光景だ。