本丸は一段高くなっているので、右へ右へと坂を登りながら歩く。登り切ったところには本来天守閣があるのだが、石垣工事のために曳屋で場所を移動している。

 本丸ではビニールシートを敷くなどして宴会をしているグループもあるだろう。ほろ酔い気分で手拍子を交えて歌っているかも知れない。そんな本丸の左手、西の際から岩木山を望める

 本丸の西側は深く落ち込んでいて、下に池や西濠が小さく見える。西濠は外濠の端に当たり、中濠との間に遊歩道の様に道が伸びている。両側に桜並木が続く景勝スポットなので、一番最後に回ることにしよう。


 本丸を降りて下乗橋を戻り、左側へと進む。程なく右側に園内で最長寿のソメイヨシノが見えてくる。漆黒の東内門とセットでとても厳(おごそ)かで美しい。樹齢144年の桜の古木は大きく枝を広げて、今もなお鮮やかに咲き誇る。


 さらに進むと、出店(でみせ)が見えてくる。右にも出店が列を成していて、とても賑やかな場所だ。この辺りから下に下がって、延々と出店が立ち並ぶ。一番賑やかなエリアに入ってゆく。

 名物の『黒こんにゃく』に『嶽きみ(とうもろこし)の天ぷら』。津軽百年食堂の『津軽そば』に『味噌おでん』。当然、定番の『お好み焼き』や『たこ焼き』、『焼きそば』など。子供達や女性に人気の『チョコバナナ』や『いちご飴』、『りんご飴』も。出店はおそらく70店舗くらいはあると思われる。


(つづく)