寒さも最高潮だが、ここ1、2週間をやり過ごすと春が近づいてくる気配がある。氷点下にもなる日々に、暖房は欠かせない。電気による暖房は電気ストーブやエアコンがあるが、青森だと石油ストーブが無いと冬を暮らせない。
火の発明は人類の進化と発展に欠かせない。70万年ほど前のイスラエルのゲシャー遺跡から『火を起こした』形跡が確認されている。焦げた実と共に火打石も見つかっている。今のところ最古のものである。ホモサピエンスは約30万年前に旧人から進化したとされるので、旧人が既に火を起こしていた事になる。
落雷や極端な乾燥による草原の自然発火などで起きた火災で火を経験した旧人は、何らかの偶然が重なり、岩石と岩石が打ち合わされる事により火花が出る事に気付く。また、乾いた木と木をこすり合わせることで熱が発生することも学習していったに違いない。
火を使える様になると、暖をとることができる。そして、澱粉質の木の実や動物のタンパク質を焼き、より食べやすくした。現在、一部の野生のチンパンジーは、火災の後の木の実を食べることで知られている。その方が澱粉質が変化して消化に負担がかからず、かつ栄養をより吸収しやすくなると経験から学習していると思われる。
また、他の肉食動物から身を守り、夜の明かりを得る事ができる様になり、時間と空間をより有効に使える様になっていった。
ある学説では、火を起こすことが難しかった頃には、一度手に入れた火を絶やさぬために複数の個体で火を管理したのではないかとも言われる。そこから、より集落と集団行動が必要になったのではないかと。
人類の進化と発展に不可欠なひとつ目の要素である『火の利用』。
まだまだ分からないことばかりである。