今日、1966年の紅白歌合戦がリメイク映像で放送された。司会は宮田輝さんで、白組のキャプテンは坂本九さん、紅組は伊藤ゆかりさん。出演するほとんどの人が懐かしく、妻と2人で「え〜っ」「そうそう」「う〜、誰だったっけ」の連続だった。

 三田明さんは綺麗な顔立ちで、三波春夫さんは記憶している以上に歌が上手だった。そして伊藤ゆかりさんは可愛らしく、関口宏さんと結婚した西田佐知子さんは綺麗だった。今では5時間ほど繰り広げられる大晦日の歌合戦は2時間半ほどだろうか。今とは違い、あっという間に見られる時間だ。


 紅白歌合戦は大晦日の定番だった。幼い時から家族全員で観ていて、勝敗が決するまで観ることができれば、少しだけお兄さんお姉さんになれた気がしたものだ。

 紅白に出場する歌手が身にまとう衣装や、途中挟まれる紅組、白組のそれぞれの応援合戦、寸劇。それら全てが後に友達と会った時に必ず話題となるくらい、全国的な人気番組だった。

 しかし、高校生になると、交際し始めた彼女と一緒に初詣に行った。紅白は半分観たくらいだったと思う。そして、翌年は友達の家に集まることになり、また途中で抜ける。当時両親は、特に母親は、なんで大晦日に家族から離れて出かけるのかと不満そうにこぼしていたのを今も覚えている。

 決して家族を疎(おろそ)かにしているわけでは無い。大人の階段を一段ずつ登って行ったのだと思っている。その後も、友達と初詣に行ったり、徹夜で麻雀をしたり。大学に入って、妻と知り合い、やはり初詣に行った。紅白歌合戦を最後まで観ることはもう無くなっていた。


 でも、今でも昔家族みんなで観た紅白歌合戦の興奮は忘れない。


 あれが大晦日の過ごし方だと感じている。