20年程前だろうか。一枚のCDに驚いた。

『image(イマージュ)』というオムニバスCDで、著名な奏者の珠玉の名曲が次々と奏でられる。ヨー•ヨー•マの『リベルタンゴ』に、葉加瀬太郎の『エトピリカ』、ゴンチチの『放課後の音楽室』などなど。


 その中に、初めて出会う歌声が収められていた。その女の子の名前はシャルロット・チャーチ、曲は『ピエ・イエズ』。ウェールズに住む歌の上手な女の子は、10歳の時に才能あふれる子供を発掘して紹介する番組の募集に応募し、電話口で『ピエ・イエズ』を歌った。その歌声に番組プロデューサーが惚れ込み、番組出演を果たした。その後、数々の番組に招待され、舞台でも歌い、12歳の時にアルバムを発表する。

 彼女の澄んだ歌声は、聴く者を一瞬でイエス・キリストに祈りを捧げる空間に誘う。祈りの場の凛とした空気を真っ直ぐに突き抜けて天に昇るかのような歌声は、その幼さと相まって天使の歌声と称される。

 宗教要素を含む曲ではあるが、迷いを吹き払い、心を落ち着かせて、大切な人と手を繋ぎ合わせながら星空を見上げる様な気持ちにさせてくれる。


 彼女は現在38歳。クラシックの歌声で民謡やポップス寄りの曲も歌えるクロスオーバーのジャンルで活躍している。


 是非ともこの幼くも清廉(せいれん)な歌声に包まれて欲しい。


※ミュート解除をお忘れなく

↓     ↓     ↓     ↓     ↓

Charlotte Church - Requiem: Pie Jesu (Official Audio)