今、このとき、大晦日の夜に、娘がピアノを弾きたいと言ったので、居間の音を一旦締め出した。夜の8時。大晦日の料理を一通り頬張り、残っているのは、僕のおつまみ、食べ残しだけ。少しだけ片付けて、想いに任せて弾いてもらった。
子供の時からの行事の曲。入学式、卒業式、クラス対抗の合唱曲、どれもこれも懐かしい曲ばかり。ひと通り引き終わった娘に、僕はリクエストをした。エンニオ・モリコーネ作の『愛を奏でて』。『海の上のピアニスト』の中の抒情曲である。
そもそも僕が大好きだった曲を、次のコンクールの曲選びに悩んでいた娘に薦めた。いつ聞いてもこの旋律は心を躍らせてくれる。
僕は常々音数の少ない曲ほど難易度が高いと思っている。表現力を問われるからだ。この曲もそのひとつ。良く、この少ない音符で感情を揺さぶってくれると感心する。
映画はともかく、是非ともこの曲を聴いてみていただきたい。