BS-TBSで放送されている『サンド伊達のコロッケあがってます』が面白い。一時間枠で二軒のお店を訪れてコロッケを食べるのだが、揚げたて熱々を食べる時のリアクションもたまらない。お肉屋さんだったり惣菜屋さんだったりするのだが、他のメニューも気になれば追加で食べる。さらに、途中のお店にふらり立ち寄ってつまみ食いをしたりするので、二本撮りの一本目でお腹がいっぱいになってしまうこともしばしば。まあ本当によく食べる。
あるお店で、今時ないくらいの価格でコロッケを売っていた。一個60円だった。熱々を三人で食べた後、値段の安さの理由をご主人に尋ねた。奥さんが八年前に亡くなったのだが、その奥さんが書いてくれた価格表を捨てることができないからなのだとのこと。十年間はそのままにしたいのだそう。奥さんを想う気持ちが溢れていて胸が詰まった。
儲からないながらも商売を続ける理由に挙げていたのは、100円玉を握りしめてコロッケを買いにくる子供たちの存在なのだそう。
子供の頃、お使いの目当ては父や母から貰うお駄賃だった。実は、加えてもう一つ楽しみがあった。近所の個人商店ではたまにキャラメルや飴を一包貰った。もう一軒は子供の足で10分程のお肉屋さん。そのお店では焼き鳥も焼いて売っていたのだが、豚肉をグラムで買いに行くと、大体と言っていいほど焼き鳥を一本くれた。店の中で食べてから行っていいんだよとと言ってくれて、素直にその場で食べて店を後にした。
日本の個人商店は昔から薄利多売が多く、儲ける以外の商売を続ける理由でよく上がるのが、『お客さんの喜ぶ顔』見たさである。
今、増え続ける海外からの観光客が口を揃えて話すのが、日本の食べ物の安さである。惣菜であれ、食事処であれ、世界的な水準より遥かに安い。
高過ぎるのは困るが、もう少し良い思いをして欲しいと思う。