僕は京都の造築、文化、食に強く憧れている。この思いは高校の修学旅行の自由見学の計画を立てている時からだと思う。
今日は、BS朝日の『あなたの知らない京都旅』の羽田美智子さんが案内人を務めたとある回の放送内容を紹介させて頂きたいと思う。
一つ目は京繍(きょうぬい)。訪れたのは、長艸繍巧房(ながくさぬいこうぼう)。京友禅に刺繍を施すもので、聖徳太子が逝去した時、仕えていた女官たちが一針一針、安寧の浄土を縫い上げたものとされる。
戦時中に、戦地に赴く人の無事を願って行われた千人針。道行く人に声をかけて玉縫いを一針ずつ縫ってもらう思いの連鎖は、聖徳太子の刺繍に繋がるのではないかと仰(おっしゃ)っていた。
二つ目は茶道。京都茶家四家の一つ、薮内家。おもてなしの心や、それを体現する茶道の作法は、日本の伝統文化を伝えるためにも決して絶やしてはならないと、日々を過ごしていらっしゃる。
三つ目は日本旅館。川端康成も常宿にしていたという柊家(ひいらぎや)。玄関、廊下、部屋、庭、料理と全てに京都がある。川端康成は、何処かに旅をした後にこの宿に立ち寄り、癒されて帰ったという。女将もやはり『変わらない事』に腐心し、今まで同様京都の文化を伝えていかなければならないと語っていた。
三人とも文化を伝える役割を担っている矜持がある。
僕達は様々なの思いが積み重なった京都に触れ、味わい、楽しんでいる。僕は伝統文化の太い幹を伝える立場にはないが、これからも存分に京都を、そして日本文化を楽しませて頂きたいと思う。
ちなみに、箸先を人に向けないとか、横になっている人をまたがないとか、僕たちの日頃の所作や行いの中にも伝統文化はある。