妻と二人、ショッピングセンターでハンバーガーを食べながらセンターホールの人の流れを楽しんでいた。年配の人から若い人まで、一人の人が多い中、子供の手を引くお母さんもちらほら。お昼の時間帯に差し掛かっていたが、平日ということもありそこまで人通りは多くなかった。
僕達が座っている店内からすぐ、ホールの通路側に、二才くらいの男の子とお母さんが手を繋ぎながら立っていた。
店内でも、お母さんとこれまた二才くらいの女の子が立ち上がって店を出ようとしていた。お母さんは、ダストボックスに紙類とプラスチック類をきちんと分けながら食べ飲みガラを捨てていた。そして二人は手を繋いで店を出て行く。
その時だった。それぞれのお母さんと手を繋ぎながら、男の子と女の子は見つめ合っている。気になっているのは明らかで、まるで遊び相手がいるのにどうしょうといった様子。素直で微笑ましいと思うと共に、あることが脳裏をよぎる。ワンちゃんと一緒だと思った。
ワンちゃん達は、リードに繋がれながらお互いを意識して匂いを嗅ぐ様な動きをして視線を逸らさず、出来るだけ近づこうとする。二才くらいの子供達が見つめ合うのが、ワンちゃん達の様子と重なった。
そもそも子供達であれワンちゃん達であれ、興味があるから見つめて様子を窺っているのは自然なこと。しかし子供達は歳を重ねて、やがて思春期に、やがて大人になる。すると、そう言った行動を取らなくなる。気になって見ていたとしても、それは相手がこちらの視線に気づいていない時で、視線に気づかれそうになると、さっと顔を背けて違う方を見ていたふりをする。
社会の常識、他者との距離を覚えることはとても重要で、僕達はその度合いを調整しながら人付き合いをする。
しかし、もしかしたらもったいない事をしているのかも知れない。無邪気に遊び、笑って話ができる相手を『いつも通りの振る舞い』でやり過ごしてしまっているのかも知れない。
な〜んてね。