この季節になると、野菜が大きな袋で売られる様になる。2、3日前もスーパーに赤かぶが並んでいた。このあと、干した大根も店頭にならぶことだろう。葉物では白菜がそうだ。その目的は漬物。
京都でも伝統野菜で様々な漬物が仕込まれるが、雪国である青森県でも、冬の間の野菜不足、おかず不足を解消するために色々な漬物があちこちで漬けられる。
ここで、僕が大好きな漬物を三つ紹介したいと思う。
一つ目は赤かぶ漬け。
かぶを縦に薄くスライスして、昆布、酢、ザラメで漬ける。青森ではかぶの千枚漬けと言うが、京都の千枚漬けほどの薄さはない。京都の千枚漬けニ、三枚分で一枚の厚みだろうか。
切ったかぶは周りが赤くて、芯に近づくにつれて白くなるが、漬け込むことによってその赤みが全体に行き渡り、赤い千枚漬けが出来上がる。甘味のあるかぶ漬けは子供も大好きである。
二つ目はわり漬け。
音で記憶しているが、おそらくは割り漬けだと思う。青首大根の皮を剥き、大きめの乱切りにして、塩と麹と小口切りの鷹の爪で漬け込む。この乱切りが大きい。一個を二口か三口で食べる様な大きさを想像して欲しい。ガブリと大きめに噛み切って頬張ると、瑞々しさと麹の旨みが口いっぱいに広がる。
三つ目はニシン漬け。
軽く干したりそ大根(今は売ってないかも)を、皮を剥かずに6〜7cmほどの長さの輪切りにする。そして縦に四等分に切る。これと細く斜め切りした身欠にしんを一緒に、塩と麹で漬ける。ニシン特有の風味と旨みが大根に染み込み、他のどの漬物にもない味わいとなる。
一番好きな漬物だが、これが難しい。仕込んだ後に暖かい日が続くと、泡を吹く。漬け込むタイミングを間違えると一樽全てが駄目になる事もある。でも大好きだ。
母がいない今、3つ共漬けたことのない僕は毎年この時期になると悩む。
やってみようかなと。