昨日、初めてバレエ劇を観た。とてつもない感動で、幕開けから僅か数呼吸で胸に熱いものが込み上げて来た。

 ロシア系ユダヤ人であるシャガールがアメリカ亡命後に描いたバレエ劇『アレコ』の舞台背景画。それらを壁4面に配置し、踊る。青森県立美術館で4幕のうち3幕を所有していることから実現した公演である。

 仕掛け人は館長で元銀行家の杉本康雄氏。貴重な作品を所有していて、残りの1幕をフィラデルフィア美術館から借用している今だからこそ、もう一度バレー劇『アレコ』を甦らせたいとの強い想いが結実した。

 2〜3年前、ニュース番組内の特集コーナーで杉本氏が構想を語るのを見た時、実現したら絶対に観に行うと心に決めた。


 今回の公演で主人公アレコを演じるの青森市出身の大川航矢さん。

 男性ダンサーは皆ダイナミックで力強く、舞台を大きく使って感情を表現する。一方、女性ダンサーは、美しく華奢でしなやかに。セリフが一言もないのにこんなにも豊かに表現できるものなのかと改めて驚いた。

 僕と妻は、二次募集で抽選に当たった。一番前の席で舞台の床とほぼ同じ目線だったが、ダンサーがすぐ近くまで来ると、激しい息づかいと大量の汗を目の当たりにした。

 他の舞台背景を一切造作せずに、シャガールの背景画に囲まれた独特な空間で、私たちのみならず、演者のダンサーの皆さんも感動していたのではないだろうか。


 秋田県小坂町の康楽館や香川県琴平町の金比羅歌舞伎の様に、独特な『箱』の中で繰り広げられる舞台。アレコホールでのバレエ劇も、是非とも全国の皆さんに体感して頂きたいと強く思う。

 アレコホールでの再演を熱望するとともに、行く行くは年一度の定期公演化も目指して頂きたいと思ってしまう。その際のチケット販売は県内枠を設けて頂ければ。


 春は桜、夏はねぶた、ねぷたや三社大祭、秋は各所の紅葉と共にバレエ劇アレコ。


 如何でしょうか。