ずっとずっと南にある 西表島
小さな小さな テッポウウオの子どもが
葉っぱの上にいる虫を狙って
ピューッ ピューッ 何度も何度も水鉄砲
なかなか当たりません
それを見ていたアカショウビン
やれやれと 少し呆れ顔
休んでたテッポウウオの子どもに
ほらよっと 咥えていた虫をプレゼント
あっ ありがとう アカショウビンさん
お礼を言って 虫をパクリ
やっと 食べることができました
そのあとも 何日も何日も練習をして
ピューッ ピューッ
夕方になると またアカショウビンさん
ほらよっ と 虫をプレゼント
いつもありがとう アカショウビンさん
ある日 アカショウビンさんが
水辺を見下ろす岩の上で ウトウト
バッサバッサ 高い木の枝にカンムリワシ
アカショウビンさんを ジーッと見てる
死んだと思って 食べようとしてる!
危ない!起きて!アカショウビンさん!
狙いを定めて 狙いを定めて
アカショウビンさんめがけて ピューッ!
バシャッ!っと命中
いきなり頭に水を被って
なんだなんだ? とアカショウビンさん
カンムリワシは バッサバッサ飛び去った
何も知らない アカショウビンさん
どうだ 獲れたかぁ? と聞いて来た
子どもは ほっとして 息を吐き出した
大きくひと息 ピューッ!っと
そうしたら 虫のいる葉っぱに
パチンと当たって 虫が落ちて来た
アカショウビンさんは 羽をパタパタ
やったじゃないか いいぞいいぞ
明日も見にくるからな
おお 寒い 濡れた頭を震わせて
アカショウビンさんは 飛んで行きました
テッポウウオの子どもは 虫を食べて
さてさて また練習
ピューッ ピューッ ピューッ ピューッ 。。