先日TVでシリーズ何作目かのトイストーリーを観た。普段だと積極的に観ようとはならないが、かけっぱなしのチャンネルで何気なく見始め、次第に入り込んだ。

『だめ〜!それゴミじゃ無い〜!』とか

『がんばれー!』とか応援していた。


 先月、世紀の二枚目としてスクリーンで活躍したフランスの俳優アラン・ドロンさんが亡くなった。若き日の主演作品『太陽がいっぱい』でその名を世界中に知らしめたが、年々知らない人も増えているだろう。

 友人である富豪の子息を殺して、その後彼になりすます。ヨットを駆りながら、偽りの富がもたらす豪奢な生活を送るが、どこか影のある彼の表情が心の底にある不安を物語る。ジャンルはサスペンスだが、『心』が描かれた大好きな作品である。


 僕が初めて洋画に触れたのは小学3年生の時、父に連れて行かれた映画館だった。英語で字幕で、読めない漢字もたくさん出てきて、追いかけるのが大変だったのを覚えている。正直、楽しんだ心地がしなかった。

 ところが、この経験が僕に火を付けた。TVの映画番組を観るようになる。中学に入ると、洋画を多く上映する映画館の会員になった。月1000円位だったと思う。会員になると好きなだけ映画を観ることができた。当時入館料が800円位で、毎週見る僕にとってはとてもお得だった。

 月刊の映画雑誌も買い、新しい映画の情報や海外の俳優たちのこともどんどん詳しくなっていった。必然、映画音楽も聴くようになった。


 映画館の会は中学生の三年間で退会したが、その後も映画好きは続いた。


 派手なアクションものもたまには観るし、恋愛ものもたまには観る。しかし、恐怖ものは観なくなったし、CGアニメものもあまり観ない。僕はやっぱり俳優が演じて、実写の背景や風景が映し出される映画が好きだ。そして派手ではなくても会話の中で心が動いていく映画が。


 一番は決められないが、今、心に浮かんだのは、ヘンリー・フォンダ主演の『黄昏』と、モーガン・フリーマン主演の『ドライビング miss デイジー』である。