7時にバイトが終わって

その後終礼して上がれるのが7時半くらい

そう思って彼女には

“7時半頃少し時間作れる?”ときいた。

彼女は

“待ち合わせがあるから確約はできない”

といった。

確実には逢えないかも知れないけど

すこしでも可能性があるのが嬉しかった。

彼女は今、仕事が忙しく

とてもじゃないけど

心の中に入る隙間はない

けれど今日は彼女の誕生日

普段頑張っている彼女に

気持ちをこめてプレゼントをできる

いい日なんです。

こういう機会がないと

なかなか彼女を納得させ

プレゼントを渡すことができない

と、僕は思っている。

バイトが終わり

彼女の職場の近くにある桜の木のある場所に呼び


“誕生日おめでとう…”とプレゼントを渡す

彼女はとても嬉しい顔をしてくれて

“ありがとう…”と照れながら言う

僕は彼女を抱きしめる


そして


“大好きだよ”と彼女の目を見ながら言う

…彼女は何も言わず

僕を見つめている…

…はずでした。

しかし…

バイトで社員さんと

仕事のことについて話しすぎてしまいました…

気がついたときにはすでに8時…

遅刻!!!!!!!!!!!!

急いでお店を飛び出す

そしてすぐに

“ごめん、今終わった、まだ仕事してる?”

とメールを打ちながらも

彼女の職場に急ぎ足で向かう

確約はできないといわれていたので

もしかしたらもう帰ってしまったかもなぁ…

なんて思ってましたが

しばらくして

“いま駅に向かっている途中です”

とメールが来た。

焦った僕は走りながら電話をかける

“もしもし?”

久しぶりに声を聞けた。

“今どこら辺?”

“交差点あたり…”と彼女は答えた

そこならまだ間に合う!!!!

“ごめん、少し歩くペース落としてもらっていい?”

“ごめん、あたしも少し急いでるんだけど…”

“大丈夫!すぐに追いつくから、そのまま歩いてて!!”

と電話をきった。

が、それからすぐに踏み切りで足止めを食らってしまった…

大丈夫…追いつける…大丈夫。

自分に言い聞かせて息を落ち着かせた。

踏切が上がった瞬間

勢いよくダッシュ!

上り坂を走り

下り坂はさらにスピードを上げて下った

途中、肺がはちきれんばかりに苦しくなったが

耐えて必死に走った。

とにかく無我夢中で走った。

駅の手前辺りで

たくさんの人がいたのにも関わらす

彼女の後姿は一発でわかった

“やっと追いついた!!!!!”

彼女は少しびっくりしていたが

笑顔で“久しぶりだね…”といってくれた

僕はゼーゼー言いながらも

“誕生日おめでとう”

とプレゼントを渡した。





初めは受け取ってくれなかったけど

強引に渡した

(このぐらいしないと受け取ってくれない)

“ありがとう…”

そういってくれた彼女を駅まで送った。

僕はお店に戻らなくてはいけなかったので

そのまま来た道を戻っていった。

歩きながら考える

こんなんでよかったのかな?

不思議と後悔や嫌な気持ちはなかった

ま、これでもいっか~

久しぶりに会えたし…

彼女の顔がじかに見れただけでも

幸せでした。

桜の木の下に呼ぶことも

ぎゅっと抱きしめることも

愛の告白もできなかったけど

これはこれで有りな気がしました。


神様が

愛は焦るべからす!

と、言うものを教えてくれた一日でした。