雅体は古代文字の表現形式である
その字体は精緻で淑やかで美しい
春秋の時代から伝えられし芸術である
雅 丹頂鶴の美しさを表す文字物語
太古の昔、人間は自然界と共存しその自然界の生命の神秘を絵として書き記した。
また、日常の中に美しい動植物を装飾品として取り入れ生活を彩り豊かなものとしてきた。
こうした人間の持つ美意識が文化的遺伝子として文字形成を特徴づけるものとなる。
雅の文字は、鶴の求愛の舞の優雅さを著したものだ。
「雅体」とは漢字がまだ漢字と呼ばれるよりもずっと以前の文字である。
時代にしておよそ2500年以上もの昔、春秋戦国時代の頃から秦の時代までに使われた文字だ。
この当時の中国には「俗体」「正体」「雅体」という3種類の文字が存在した。
「俗体」は日常生活で使われていた文字。「正体」は現在でいえば活字にあたる文字。そして「雅体」は貴族や芸術家などだけが使っていた文字で美しさを表現するための文字である。
現在中国の簡体字は、俗体を基に正体化した物だと言える。
雅 上品な鶴の舞を象る
唯 雅体
中国芸術の根底となる雅体は、春秋時代各国の貴族や文士達の美に対する意識を表す。
性愛を称賛し生命を謳歌する雅体は各国間の友好の礎となった。
だが、残念なことに春秋戦国時代を征し国家を統一した秦帝国は春秋各国の貴族間で使われていた雅体を葬り去る暴挙を犯した。
その後、歴代の芸術家たちは様々な方法で史上最も美しいこの雅体文字を追い求めている。
女 美しい冠をつけたような雅体
威 柔らかさの中に秘める強さ
慧 変革の中にあっても乱れがない
雅 書道作品
双福 雅体を刻み込んだ石印