阿津川辰海著『黄土館の殺人』読了 | たごさくの本格ミステリー倶楽部&山野草

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          酒とバラの日々』ではないですが、

       「本と映画とのんの日々」ですニヤリ

 

阿津川辰海著『黄土館の殺人』読了しました。

阿津川辰海さんで一番好きです。

面白かったです。

大絶賛しておきますお祝い

重厚さが有り、ドキドキハラハラもあり、

謎解きのとトリックの時間経過の緻密さ(こんなのはそんなに気にする人がいるのだろうか)。

荒唐無稽と思われる館と謎。

地震によるクローズドサークル。

本格ミステリの醍醐味をてんこ盛りですニヤリ

『斜め屋敷の犯罪』をふと思いましました。

『荒土館』はすり鉢状の底に立っている。

だが現実はもっと崖や岩で3方を囲まれた奇岩の地形だ。

読み手としてはアリジゴクの様な地形だと想像していたが違った。

事件の切欠は『荒土館』に行く道が地震の土砂崩れによりふさがれた。

小笠原恒治土塔雷蔵を殺害する目的で『荒土館』に向かっていた。

道が塞がれた時にふと零した一言が交換殺人の切欠になる。

相手は女性で『満島蛍』を殺してくれたら『土塔雷蔵』を殺してあげると交換殺人を持ちかけたれた。

それがこの殺人事件の切欠であった。

但し、これは地震による偶然の部分が大きい。

 

12月31日。

あの日、地震さえなければこんな殺人事件は起こっていなかったに違いない。

否、たとえ起きたとしても5人も死なずに済んだと思う。

 

これって章ごとに主人公が変わる面白い書き方でした。

第一部 名探偵・葛城輝義の冒険

 そこでは彼の成長の後を書いている。

 以前書いた、碓氷優佳に似ていると云う事ですが再アップしておきます。

 阿津川辰海著『黄土館の殺人』を読書中で140Pまで読了。

 面白いですな。

 福ミスもこんな作品が受賞作にしたら嬉しいです。

 

 140Pまで読んで、

 これはぼくの一番好きなあの名探偵そっくりになった葛城君。

 成長しました。

 あの名探偵の『君が望む死に方』を彷彿させる探偵力が描かれている。

 思わず碓氷優佳だと思いました

 なので、葛城輝義の少しだけのシャーロックの様な、

 御手洗潔の様な碓氷優佳の様な冒険譚です。

 

第二部 助手・田所信哉の回想

 これは、地震で名探偵・葛城輝義と別れ『荒土館』で殺人事件に出くわす田所信哉と三谷禄郎   

 の物語。

 この章で全ての殺人が起きるが名探偵・葛城輝義はいない。

 

第三部 探偵・飛鳥井光流の復活

 凄腕の探偵を辞めていた飛鳥井光流を何とか復活させようと力を尽くす名探偵・葛城輝義。

 何故なら探偵・飛鳥井光流は現場の『荒土館』に居たから。

 

こんな所で止めておきますニヤリ叫び

膨大な謎とトリックと人間関係と人間と探偵と名探偵と助手と殺人鬼。

こんなものは書けません。

 

今回の殺人者は『狐』と名付けられた。

真坂の『落日館当主・財田雄山』の登場と土塔雷蔵との繫がり。

ブロッケン現象。

一つ目の巨人

シュミラクラ現象~人間には3つの点が集まった図形を人の顔と見るようにプログラムされてい                       るという脳の働きである。

プロパピリティの犯罪~手段として確実性はなく偶然性に頼るものの、犯行がバレることはなく完全犯罪となるトリック。

名探偵・葛城輝義と探偵・飛鳥井光流のやり取りは理解不能。もう少し素直になれば良いのにと思う。

 

*さて皆さんのブログを見に行きますニヤリ

 

*続いて館シリーズの最高傑作、綾辻行人著『十角館の殺人』を久しぶりに再読します。

その次は『今昔百鬼拾遺 月』を読みます。

着々と予定通りに進んでいます。

 

 

 

*父の日で頂戴いたしました。

麩まんじゅう(抹茶こし餡)

抹茶の香りが強烈ですが好きです。

初めて食べましたが美味かったです。

後はいつもの春栄堂のシューパリと柏餅をいただきました。

 

*ここ1週間で暑さが倍増で夏ですね晴れ晴れ晴れ