下村淳史著『そして誰かがいなくなる』読了 | たごさくの本格ミステリー倶楽部&山野草

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    昔の映画『酒とバラの日々』ではないですが、

       「本と映画とのんの日々」ですニヤリ

 

下村淳史著『そして誰かがいなくなる』読了いたしました。

初めて下村淳史作品を読ませていただきました。

とても読み易い文体でサクサク読み進められました。

大絶賛ではないですが是非読んでいただきたい本格ですニヤリ

招かれた日は大雪の日だった。

招かれた人は八人。

招いた人は。

覆面作家のミステリ界の重鎮:御津島磨朱李(みつしま・ましゅり)

ようこんな名前を考えるわ。

高部:執事

 

招かれた人

林原凛:若手のミステリ作家

錦野光一:ミステリ作家

山伏大吾:文芸評論家

藍川菜那子:御津島磨朱李の大ファンのミステリ作家

  美々:藍川菜那子の娘3才

安藤友樹:編集者

獅子川正:コンビのミステリ作家の一人

天童寺琉:名探偵

途中経過で少し書きましたが、

プロローグの前には凄惨な殺人現場の描写。

それ以降ずっと本格のカタログを読んでいるようで本当に凄惨な殺人が起きるのか?

と云うような展開。

ここまでで期待しすぎたのかもと思わないでもなかった。

 

だが、

吹雪のクローズドサークルの設定で徐々に不穏な方向に行く。

クローズドサークルともう一つ大きな味噌は、

御津島磨朱李が覆面作家で誰も本人の顔を見た者はいないと云う事。

これは覆面作家だとは書いているが少し卑怯かも知れない。

覆面作家の出現は許されるのかどうかはオフ会で一度話をしたいです。

仮面を被って正体を見せないの少なからずある。

綾辻行人著『奇面館の殺人』が仮面を被っていた。

 

ダイニングで御津島磨朱李が来る前に、

執事からスマートフォンを預かる胸を告げられ少なからず動揺が起こる。

そして、

御津島磨朱李が登場して『あるベストセラー作品が盗作である事を告発する』と告げる。

これを切欠に雪に閉ざされた館は蠢いていく。

 

『フィクションの登場人物に人権があるのか』と云う面白い設問も掲げられた。

参加者の意見はどうだったのか?

 

御津島磨朱李は食事が終わり部屋を案内してリビングに帰ってきた時にこう告げた。

『わたしは書斎で仕事をしてくる。』と云い館についての注意すべきことを語った。

これにより外部への出入りは出来ない事となる。

ミステリ作家たちは否が応でもクローズドサークルの館を意識し始める。

 

ここからは作者の下村淳史さんが上手いですね。

『ボレロ』の曲の様に徐々にクライマックスに盛り上げていく。

 

名探偵の謎解きから最後の『エピローグ』での本当の真相まではかなり面白く書かれている。

『エピローグ』では「アッ」と声をあげました。

 

大絶賛ではありませんが中絶賛としておきます。

動機はぼくが○○では無いので理解は出来ますがそこまでするか?と云う気持ちです。

 

*鍵の問題ですが仕事柄少し疑問が有ります。

*一番のビックリはそこまでするか?ですウインク

*重厚さは中くらいでしたニヤリ

 

本格ミステリ倶楽部の皆様よければ是非一読下さいませニコニコ

 

 

*引き続き、

島田荘司著『死体が飲む水』を再読しております。

 

追記

Xで『帰って来て欲しい名探偵』やっていますね。

江神二郎とか後動悟・鳴海雄一郎とかも出ています晴れ叫び