夕木春央著『方舟』読了 | たごさくの本格ミステリー倶楽部&山野草

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            (横浜・馬車道)

本格ミステリ大好きのブロ友さんの殆どの方が読まれた『方舟』。

面白かったですねニコニコ

ただ、ブロ友さん方はネタバレをしていませんでしたが、

最後の悲惨な状況だけは書かれていたと思います。

読了した今、

それも知らないで読んだ方が最高だったかなと思っています。

11月のオフ会の議題に上ると思いますので、

遅ればせながら間に合って良かったですニコニコ

学生時代によく遊んでいた七人の仲間。

裕哉から誘われて山奥の地下建築を訪れる。

一度訪れたことのある裕哉に連れられて出かけたが道に迷ってしまう。

漸くたどり着いたのは良いが、日は暮れつつあった。

そして、その『方舟』で一泊する様になる。

七人の仲間は。

男性は裕哉、隆平、柊一、祥太郎の4人。

女性は花、麻衣、さやかの4人。

 

そして、

途中から矢崎一家の三名が加わる。

矢崎幸太郎

 妻・弘子

高1の息子・隼人。

 

そんな中地震が起こり出入口の鉄扉が岩に塞がれて脱出できなくなる。

岩をどかすには巻き上げ機のハンドルを回せばいいのだが、

大岩が動くと同時に部屋に中に落ちてくる。

回す者は逃げられず確実に死ぬ。

もう一つ反対側に非常口があるが、

地震の影響で元々から淀んでいた水が徐々に量を増しつつある。

 

そして、

決定的な殺人事件が起こる

 

①水かさは1週間くらいで方舟を満たしてしまう。

②鉄扉を壊すためには岩石をどけなければならず、

 ハンドルを回したものは死ぬ。

 それならば殺人を犯した犯人にそのハンドル操作をしてもらう流れになる。

③連続殺人犯は誰か?動機は?

④動機は怖いですね。

⑤そして今作も最後の『エピローグ』が一番面白く怖かったですね。

 皆さんが書かれていたバットエンドでした。

 でもこれはイヤミスではない。

 先日読んだ『名探偵のいけにえ』も最終章が一番面白かった。

 普通『エピローグ』には大ドンデン返しは持ってこないと思っているので、 

 読了後の衝撃は半端ないです。

⑥探偵役は思っていた人(みんな思うよね)でしたが、

 着地でミスった。

 

この作品は宗教団体の朽ちかけている『方舟』と呼ばれる建築物を舞台にした事。

そこをクローズドサークルにした時点でヒットする要因が全てあったのだと思いました。

 

建築物が水没するまで1週間。

それまでに犯人を特定できるのか?

地上に脱出できるのか?

 

ブロ友さんは読後感の後味の悪さを書かれていましたが、

えげつない終わり方ですがマジでやられたと思いました。

 

最近読んだ、

島田荘司著『ローズマリーのあまき香り』

白井智之著『名探偵のいけにえ』

夕木春央著『方舟』

の3冊は面白かったです。

 

遅まきながらですが、

ブロ友さんの『方舟』の感想を全部読ませていただきました。

イヤー本格ミステリは本当に面白いですね。

引き続き阿津川辰海著『入れ子細工の夜』を読んでいます。
 
 
*今年のレンガショウマは咲いて欲しい。
 昨年も今頃は快調でしたが、
 ここから開花せーへんかった叫び