思っているより早く有栖川有栖さんの『女王国の城』を読了しました。
江神シリーズは4冊目です。
このシリーズは長編ばかりなので好きです。
前作の『双頭の悪魔』が好みで無かったので、
『女王国の城』も大長編で心配していたのですが、
大変面白かったです。
4作品で面白かったのは『孤島パズル』と『女王国の城』です。
『月光ゲーム』と『双頭の悪魔』は好みではなかったです。
有栖川さんの作品では今のところ『女王国の城』が一番好きです。
『舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。
大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。
室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。
様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、
四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。
“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。
外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、
その間にも事件は続発し…。』
(「BOOK」データベースより)
データベースより続く
行方が分からなくなった部長の江神を探しに神倉へ。
前作の『双頭の悪魔』ではマリアを探しに江神・アリス・望月・織田が木更村に出かけたが、
今回は江神を探しに神倉に赴く。
その地は新興宗教の人類協会の本部がある田舎町。
シチュエーションは『双頭の悪魔』と同じだが今回の方が断然好きだ。
4人が訪れた協会の本部にいた江神と再会。
だが江神は何処かおかしい。
いつもの部長とは違っていた。
そんな中協会本部の中で連続殺人事件が起こる。
そして協会に閉じ込められた一行はクローズドサークルとなった本部で、
抵抗に遭いながら事件の解決に奮闘する。
協会には今から12年前に来訪したぺリパリが再降臨すると信じて、
ぺリパリが降臨した洞窟を聖洞として一時も見逃さない様に見張りを置いていた。
最初の殺人事件はこの聖洞から始まる。
そこに11年前に起こった未解決の密室殺人事件が絡んでくる。
現在は人類協会の会祖の野坂御影の跡を継いで、
養女の21歳の美少女野坂公子が人類協会代表となっている。
だが、事件が起こっても瞑想中だと部屋から一歩も出てこない。
この、野上公子の想像はぼくには珍しく70%くらい合っていました。
①クローズドサークルになる
②密室殺人のトリックを解けるか
③読者への挑戦がある。~ぼくには全然分かりませんでした。
④死後硬直で銃の引き金が引けるか~素直な疑問
⑤11年前の密室殺人のトリックは最近読みましたが、これが本当にできるかどうかは?です。
⑥江神部長のどこかおかしかったのは理解できる。
⑦動機は理解できる。
⑧『双頭の悪魔』と『女王国の城』は殆ど同じシチュエーションなのに、
『双頭の悪魔』は嫌いなのに『女王国の城』が好きなのは何故だw。
以上、とりとめもなく書きましたが面白かったです。
ぼくの好きな本格ベスト10には入りませんが、
ベスト20には入れたい作品です。
ぼくのベスト10入りは『女王国の城』でなくてもかなり難しいです。
20位入りもかなりライバルがあるのでどうなりますか?
今回の作品には図面が沢山書かれており、
読み手にとってはとても嬉しい心使いです。
因みにこんな図面です。
ネタバレにはなりませんのでUPしておきます。
これは一級建築士の安井俊夫氏に依頼をして描いて頂いたそうです。
*追記
今日の和歌山市は13:28に震度4の直下型の地震がありました。
事務所がかなり揺れ焦りました。
以降も小さな地震が止みません。
和歌山市の紀ノ川沿いに中央構造線がありますので、
いつ大地震が来てもおかしくありません。
用心してもしきれませんがご用心です。