『百器徒然袋 風』再読終了いたしました。
イヤー面白い事この上ない探偵小説です。
こんな面白い探偵小説を読まない手はありません。
これで榎さんの探偵小説は終了する訳ですがすっごい寂しさを憶えます。
また忘れた頃に再読ですね。
『調査も捜査も推理もしない。
ただ真相あるのみ!眉目秀麗、腕力最強、
天下無敵の薔薇十字探偵・榎木津礼二郎が関わる事件は、必ず即解決するという。
探偵を陥れようと、「下僕」の益田や本島らに仕掛けられた巧妙な罠。
榎木津は完全粉砕できるのか?
天才の行動力が炸裂する『五徳猫』『雲外鏡』『面霊気』の3編。』
『 探偵―榎木津礼二郎。
眉目秀麗にして腕力最強。上流にして高学歴。
破天荒にして非常識。豪放磊落にして天衣無縫。
世の中の常識が十割通じない、怖いものなどひとつもない、
他人の名前を覚えない、他人を見たら下僕と思う―
調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵。』
百器徒然袋 風・目録
●五徳猫 薔薇十字探偵の憤然
●雲外鏡 薔薇十字探偵の然疑
●面霊気 薔薇十字探偵の疑惑
以上、中編3篇
今回は『雲外鏡』と『面霊気』が同じくらい面白かったですね。
どちらかに決めるとなると宿敵・羽田隆三との対決と榎木津一味総出演なので『面霊気』しておきます。
『風』は『塗仏の宴』の羽田製鐵の会長兼取締役顧問の羽田隆三が事件の後ろで暗躍して、
最後の『面霊気』で榎木津一味+京極堂・木場修との対決になる。
語り手は『雨』と同じ新しく下僕となった本島五十三次君。
●五徳猫は招き猫の事でもめた本島と近藤が豪徳寺に出かけ騒動に巻き込まれる切欠を作る。
ひょんなことから事件の依頼を受けた榎木津一味が例により京極堂を巻き込み大騒動となる。
*榎さんがまともに喋る描写がある。
本編でもあるようですがどれか忘れました。
●雲外鏡はヤクザに誘拐された本島が謎の人物により助けられる。
その直後に助けた人物が殺害され本島が容疑者になる。
そんな時、霊感探偵と名乗る神無月が現れ、
榎木津との探偵の勝負を挑んでくる。
後は榎さん一味と京極堂・妹・敦子、警視庁の青木、鳥口が絡み収拾がつかなくなる。
*榎さんの壁ドンがある。ノベルス333Pです。ご期待ください。
*ここでも榎さんがまともに喋る描写がある。
●面霊気は本島の友人である紙芝居絵描きの近藤の家に泥棒が入った。
しかし取られたものは無く、増えているものが何点かあった。
それが事件の始まり。
一方、浮気調査を頼まれた薔薇十字探偵の増田はその調査で空き巣の嫌疑をかけられてしまう。
怪盗にゃんこなるものも出現し、
またもや榎木津と下僕の一味と京極堂と今度は木場修がメンツに入って大騒動。
『例によって、綿密な打ち合わせと云うのは一切なくて、
それでも榎木津と中禅寺は暗黙のうちに何かを企み、
僕達下僕は全体像を全く掴めぬまま、ただ翻弄されることになった』
『塗仏の宴』の羽田製鐵の会長兼取締役顧問の羽田隆三は最後に、
榎木津にこれ以後手出しをするなと中禅寺に釘を刺される。
最後に京極堂を訪れた本島は榎さんからの手紙を中禅寺より貰う。
そこには・・・・・・。
そして本名を間違えないで書かれていた。
本名は本島〇〇であった。
たごさくの名前(文字も)と同じだった。
これは前回読んだときはどう思ったのか自分の記憶にはない。
ビックリした次第です。
そして、下僕も良いかなと考えているぼくがいる。
多分、ぼくが下僕になったら本島か関口の様に成るのが想像できるw。
榎さんの物語はこれでお終いです。
が、また書いて欲しいです。
こんなに笑えて面白い探偵小説はないです。
『百鬼徒然袋雨』」リブログ
*予定通り有栖川有栖著『女王国の城』を読み始めました。