料金は、通常よりなぜか高い2000円。映画の日もレディースデーも、シニア割引も夫婦50割引も使えませんよ。でも観る価値あると思います。お守りのおまけもありますよ。



「花の生涯-梅蘭芳」



実在した京劇の女形大スター、梅蘭芳の生涯を描いた大作。京劇とは如何なるものか、ということも、この映画を観て初めて理解。日本の歌舞伎との共通点もいろいろと感じましたし、日本軍の侵攻との関わりも少し知りました。



主人公の梅蘭芳を演ずるのは、青年期は余少群(ユイ・シャオチュン)、成人してからは黎明(レオン・ライ)。初めて心から愛しながら、引き裂かれる男形女優役の章子怡(チャン・ツィー)、愛人や支援者に夫の心や財産を支配されても、決して退場せず妻という立場を全うする強い女、福芝芳を演ずる陳紅(チェン・ホン)。



彼を愛し大事に思うゆえに周囲の人々の間で生ずる切ない軋轢の中で、天才梅蘭芳を演ずるレオン・ライは、純粋で繊細なハートと圧倒的な存在感という相反するイメージを醸していて、目が離せません。



そして感動的なのは、映像の美しさ。姿かたちは似ているのに、日本映画とはまるで違うド迫力は、どこからくるのでしょう。色や光の使い方のちがいでしょうか。それとも、スケールの大きさのちがい?



そうそう、梅蘭芳を擁護し心を通わせる日本軍の少佐を演じた安藤政信も、すばらしく繊細な美形。日本人も美しく描かれていて、ちょっとほっとしました。