大村市内におけるこどもさんの間で流行している感染症は、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症はかなり減り、他の呼吸器系のウイルス感染症、溶連菌感染症、アデノウイルス感染症がちらほら見られます。呼吸器系症状をきたすウイルスではヒトメタニューモウイルスが検出されることが多いです。症状はRSウイルス感染症とほとんど同じで、発熱、咳嗽、喘鳴などで、幼弱乳児が感染すると入院に至ることもありますが、年長時では発熱が5−6日と長めには出ることが多いですが、重篤化することは少ないです。直近で経験した溶連菌感染症は、発熱や咽頭痛はなく、体幹他の痒みを伴う皮疹で、咽頭発赤もほとんどない例もありました。皮疹も教科書的な粟粒発疹ではなく、不定型紅斑と表現した方が良いような、あまり特徴のない皮疹です。やはり痒みを伴うという点がポイントと思います。アデノウイルス感染症は、いわゆる咽頭結膜熱という表現型をとる例もあれば、発熱のみが数日続くというものもあります。教科書的には咽頭扁桃に白苔が付着するように記載されていることもありますが、典型的な白苔を付着させるような例は少ないような印象です。

 高熱が続いても、本人が比較的元気で、水分も摂取できていれば慌てることはありません。基本的にウイルス疾患は対症療法のみで治癒する病態です。安静に休ませてあげてください。