今日の夜、NHKスペシャルで取り上げられた話題です。赤ちゃんが生まれるずっと前に、胎児がもつ色々な異常、障害を超音波診断などで見つけて診断するというもので、番組は診断を受けた夫婦、家族の苦悩、葛藤が描かれていました。赤ちゃん

 胎児がダウン症であることが判明した夫婦、二分脊椎症の母親が身ごもった胎児もまた同じ病気であった例を中心に話が進みました。両夫婦、家族ともに色々な葛藤、紆余曲折の末に結局産むことを決断し、赤ちゃんが無事生まれて、障害を持ちながらも元気に生活している姿が映し出されていました。胎児

 私が勤務医時代にも同じような事例をよく経験しました。障害を持って生まれるとわかっていながら我が子を受け入れる決心をし、現在幸せに生活している家族を多く知っています。ただ、一方では多くの命が人工妊娠中絶という形で闇に葬られたことも知っています。この番組は、恐らく現在話題となっている母体血を用いた胎児診断が、平等であるはずの命の選別に一様に用いられつつあることに警鐘を鳴らすことを意図しているものと考えられます。診断技術を開発する人たちは、自らが作った診断方法で多くの夫婦、家族が苦しんでいるという事実を知らないか、全く無視しているかどちらかです。この番組を見た視聴者の間で、問題点の認識が高まればと思います。(^O^)/