レギュラー三年生9人に控えは二年生の9人の計18名。
金足農業で子豚が9匹生まれて秋田大会から不動の三年生9人と重ねては大騒ぎ
金足農業ナイン。
だがもう一人ベンチを外れた10人目の三年生がいる。
だがもう一人ベンチを外れた10人目の三年生がいる。
甲子園大会でボールボーイを務めた。
秋田大会までのベンチ入りは20人。彼も背番号20番を付けて一緒に全力校歌を歌ったんだ。
甲子園でベンチ入りできるのは18人。
川和田君は背番号はもらえずメンバーから外れた。
そして彼はボールボーイになった。
金足農業とは違うヘルメット。手には複数のボール。吉田輝星君がいい球を投げれるように一生懸命にボールを磨き審判に渡す。金足農業のウイニングボールになることを祈って一生懸命にボールを磨く。
アルプススタンドで大声でタイガーラグで応援することもなく、すぐそばにいる仲間の金足農業選手に声をかけることも、喜ぶことも泣くこともできない。もちろん全力校歌を歌うこともできない。あくまでまもゲームを円滑にする為の補助員だ。
きっとボールに祈りを込めて、グラブの中で手を指を拳を強く握って仲間の活躍を祈ったんだろう。
こんな川和田優斗君の縁の下の力持ち、支えがあったからこそ金足農業はここまで頑張れたんだと思う。
川和田優斗君は三年生メンバー9人と一緒に、夢だった秋田大会を優勝して甲子園の土を踏み、34年前の記録を超えて、対戦したかった大阪桐蔭高校と決勝戦で戦かったんだ。最後の夢は叶わなかったけれども、夢は続いているんだ。
ボールボーイの役目を終えた川和田優斗君。最後に金足農業の仲間に呼ばれて、甲子園の土をスパイクの袋に入れて最後の一礼をした。