[将棋]福間女流五冠、女流王将戦を白星発進 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 本日、囲碁将棋チャンネルで放送された第46期女流王将戦トーナメントの開幕戦は、後手番となった福間女流五冠が最近ずっと好調の和田あき女流二段を危なげなく下し2回戦進出を決めました。次局は内山女流初段と崎原女流1級の勝者と対戦です。
 
囲碁将棋チャンネルもケーブルテレビオンリーからネット進出を模索しているようで、本局はテレビ放映時間に先立ってYouTubeで無料公開されました。

 

女流王将戦のトーナメントは持ち時間25分で、秒読みが変則の40秒となっていますが、基本的には早指しです。本日の解説は振り飛車党の佐々木慎七段で、福間さんの対局の解説につくことが偶然かもしれませんが割と多い気がします。それで私の感覚では最近の福間さんは中飛車採用率が高いと思うのですが、佐々木七段はいろいろな戦形を指すことが多いとのコメントで、本局も後手番だからという要素もあるでしょうが、三間飛車から左金を進出させる珍しい戦法が採用されました。解説では菅井八段が(昔?)指していたとのこと。上の局面で、ソフトの形勢判断はやや先手持ちながら、和田さんは想定外で面食らったのではないかと。ただ、これも持ち時間の短い将棋で、後手ゴキゲン中飛車からガッツリ組み合って先手居飛車にうまく序盤を指されると大変になるかもというリスクを回避したのかなと。
 自分で仕掛けたので後手振り飛車側の準備は十分なのでしょうが、基本的に力戦系で進行する変化の全部を調べ尽くして臨んだという感じでもなさそうでした。ただ、何と言っても先手居飛車側はもっと戸惑ったのだろうと思われます。
 
3筋の衝突をどう捌いていくか、中盤戦ではやや膠着気味にも見えましたが、解説の佐々木七段の話にもあった▲5四歩と突いたのが一見良さそうで後手に△3六歩と取り込まれた局面で形勢がやや傾き、その後の中終盤では持ち時間にも差が開き、最終的には福間さんの完勝譜となりました。
 

終局後の勝者インタビューでも次戦に向けて、持ち時間が短いことの難しさを語っており、相手が内山さんになると(持ち時間は2時間でしたが)昨年度は女流名人戦の本割で苦杯を舐めさせられたこともあり。リアル時間軸ではその2回戦も既に終わっている可能性もありますが、何にせよ次局も応援あるのみです。
 

最後はずっと40秒将棋だった和田さんに対して、持ち時間3分を残しての終局。考えようによっては、今日は王者の方から変化球を放って相手の持ち時間を削ったと言えるのかもしれませんが、定跡形の後手中飛車で何でも受け止めるからどんと来いという気持ちでは甘いと見たか。それだけ警戒してということじゃないかと思いました。(100%戦略的というより単純にやってみたいからやってみた、という要素もあるかもしれませんが...。) また見てる方も面白かったですし。
 

佐々木七段の解説に、聞き手は貞升女流二段でした。