昨日行われた清麗戦の本選決勝（いわゆる挑決戦）は、敗者復活の再挑戦トーナメントから勝ち上がった加藤桃子女流四段が西山女流三冠に勝ち、五番勝負への出場を決めました。第1期の中村真梨花女流四段に始まり、予選を全勝で勝ち上がった人がタイトル戦に出場できない（第2期以降は挑戦者になれない）という清麗戦ジンクスを今回の西山さんも打ち破れませんでした。6回もやっているのに不思議な現象に思いますが、それ故にジンクスなのかと...。
加藤さんは予選で西山さんに敗退していたので、その借りを倍返しすることができたとも言えますが、ここ最近は互角以上で勝ち越しているはずです。福間女流五冠と西山さんが概ね互角とすると、加藤さんが西山さんとは五分なのに福間さんには星勘定でうんと差を付けられているのも不思議と言えば不思議。相性のようなものがあるのかなぁ？福間さんも西山さんも振り飛車党なので、居飛車党の加藤さんとはどちらも対抗形になりますが、西山さんとの戦いの方が抑え込みに成功して振り飛車の捌きを不発にする技があるのかどうか。福間さんの方が西山さんより序盤力はやや上かもしれませんが、加藤さんとの戦いでは中終盤から抜け出したり、劣勢をひっくり返すケースも多く、中終盤の逆転力（術）なら西山さんの方が上かなという気もしなくもないですが。（最近はそうでもない感じもするが...（つまり福間さんと西山さんの中終盤力はほぼ互角））。まぁ、やっぱり相性の部分が大きいかな？
で、逆にというか、西山さんは加藤さんと伊藤沙恵女流四段以外にはほぼ取りこぼさないのに対し、福間さんは昨年度など時々、若手への金星配給がありました。福間さんの場合、いきなり100%潰しに行くより少し様子を見ている感が（特に初戦は）若干あるような気もしますけど...。
さて清麗戦に戻って、五番勝負の日程が発表されました。
第１局 ７月10日（水） ホテルオークラ東京
第２局 ７月24日（水） 愛知県 ホテルインディゴ犬山
第３局 ８月６日（火） 栃木県 日光金谷ホテル
第４局 ８月20日（火） 関西将棋会館
第５局 ８月27日（火） 千駄ヶ谷 将棋会館
ずっと平日の対局になりますが、初戦と出来たら第3戦の日光も大盤解説会に行きたいなと思っています。
清麗戦タイトル戦での持ち時間はチェスクロック方式の4時間で、この前終わった女流王位戦（ストップウォッチ方式の4時間）より若干短いかもしれませんが、女流棋戦では白玲戦と並んで2番目に長い戦いとなります。先に触れたように両者の対戦成績はうんと偏っていますが、基本的には毎回いい勝負となるはずで、加藤さんの調子次第というところもあるのかなと。今回は直近の女流王位戦での敗退で味わった悔しさを晴らすチャンスを直ぐにつかみ取ったという点で、非常に勢いと意気込みを感じます。状況などは全く別ですが、2年前に伊藤さんに女流名人戦で敗れた時も、もう流石にそろそろ伊藤さんが無冠返上で勝ってもおかしくないのではという空気を感じました。（NHKの将棋フォーカスでの特集もあったし） それとやや似て、関西に移籍後もなかなか日の目を見られずに、それでも戦い続けるという形で、流石にそろそろ加藤さんが...みたいな空気が。そういう意味で、いつにも増して初戦が大事。7月10日まで一か月以上あるので、両者とも十分な準備をする時間がありますし、熱戦が期待されます。私も久々に、ここは気合を入れて鶴岡八幡宮に必勝祈願に行く予定です。福間さん
、頑張れ～
