本日行われた第12期加古川青流戦トーナメントで、里見女流四冠は午前中に柵木三段、午後には折田四段を下し、ベスト8入りを果たしました。持ち時間が1時間の短期決戦なので、じっくりと読みを入れる部分も限られて、決断良く指していく要素が強いのかなと思われますが、今日は2局とも振り駒で先手を引き、中飛車で戦われました。
午前中の相手は柵木三段(ませぎ、と読むそうです)。先手中飛車対居飛車の対抗形になり、銀対抗の形から4六の歩取りに後手の角が2四と覗いてくるのに対し、木村美濃に構え、その後2枚の銀を四段目(六列)まで押し上げる形に。後手が7筋に回った袖飛車から仕掛けて戦いが始まりました。その後も全体的には里見ペースながらも、馬と龍を自陣に引き付け、対抗形の戦いながら両者ともに横からは攻めにくく、後手が1筋から端攻めを決行。先手も望むところという訳でもないでしょうが、端の攻防で秒読みのさなか後手が一手緩んだ隙を捉え、里見さんが後手玉に猛然と襲い掛かり、後手陣は7一、7二、7三と三枚金にさらに2二銀と打ち込んで徹底抗戦するも、最後は6五に動いた馬が3二に斬り込み、5七に待機している龍の利きで後手玉も右辺に逃げ出しきれず、最後は見事に詰みまで読み切っての勝利でした。
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午後も先手中飛車でしたが、互いに5六と5四の歩を突いて先手に5筋の位を取らせない形に。里見さんは高美濃に組み、後手の折田さんは囲いも半ばという感じだったでしょうか?先手から5五歩と突いて衝突が始まると、後手も8六歩と突き捨てて開戦。その後、後手から1筋を突いて全面戦争になりました。持ち時間1時間の短期決戦でもあり、中終盤の激戦で形勢は行ったり来たりしたようですが、最後は里見さんが踏み込んで長手数の詰みを読み切り勝利されました。
関西将棋会館・芙蓉の間では、編入試験を経て棋士になった折田翔吾四段と、編入試験を受験する里見香奈女流四冠が加古川清流戦で対局中です(若杉)
— 読売新聞写真部 (@tshashin) July 19, 2022
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[加古川青流戦・折田翔吾四段-里見香奈女流四冠]
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折田四段が投了、101手までで里見女流四冠が勝利しました。
里見女流四冠の棋士編入試験は8月18日、関西将棋会館で、徳田拳士四段と対局からスタートです(若杉)
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