[将棋]第3期清麗戦最終局の結果、無念 | 福間香奈さんを応援するブログ!

福間香奈さんを応援するブログ!

女流棋士の福間(旧姓里見)香奈さんを応援しています。その他将棋や自分の日常のことなど。

中継ブログ棋譜

 

 1989年の暮れに行われた有馬記念のことを思い出している。この年の秋冬戦線で、オグリキャップは産経オールカマー、毎日王冠と爆走して連勝、天皇賞は南井騎手が自分のミスで負けたと僅差でライバルの武豊騎乗のスーパークリークに敗れた。ただし、ドラマの始まりはそこからだった。マイルチャンピオンシップでは、同じく武騎乗のバンブーメモリーに一本取られたかという4コーナーから、レース後に思わず馬に助けられたと男泣きした南井騎手の執念の追い込みで大逆転勝ち。さらには、まさかの連闘(2週連続でレースに出ること)で、高速の芝、東京2400mのジャパンカップでホーリックスと当時2分22秒2の世界記録の同タイムを出しながらも僅差の2着。この馬は走ることが大好きで、常識が通用しないスタミナを持つ怪物だと言われ、年末の有馬記念に向かった。この日の中山競馬場は少し小雨模様だった気もするが、4コーナーを回ってここからスパートすると誰もが信じたはずが外から被せられるように並んだスーパークリークの脚色に及ばず、もがくようにずるずると後退するオグリキャップの馬体が小さく見えた。スーパークリークがこれで勝ったと誰もが思ったレースの結末は、春の天皇賞馬ながら秋以降は見せ場も無く人気薄だった小柄な馬体のイナリワンが、どうだとばかりに真っ先にゴール板の前を駆け抜けた...。(オグリキャップのドラマは1990年の有馬記念へと続きますが、その話は別の機会に。)

 

 今日の最終局では振り駒で先手となった里見清麗が中飛車を選択したのは、ほぼ予想通りとして、新構想なのか▲3八銀と美濃囲いを締まる一手を省略し、午前中に自分から積極的に仕掛けていきました。2連勝から連敗で追いつかれた加藤桃子女流三段が、やや焦っているのではないかと思えば、今まで通り先に攻めさせてミスが出るのを待ってカウンター気味に反撃する方が心理戦としては得なんじゃないかと、つい思ってしまいましたが...(それをどうやって手にするのかが無ければ仕方ないでしょうが)。また他のタイトル戦など対局が続き、十分な研究をする時間があったのかは不明ながらも、ここ一番のために用意していた研究手順をぶつけたのかもしれません。ただ、それにしても普段の慎重な指し回しを考えると勢い弾んでと思わなくもなく。一昨日の女流王座戦から中一日で、もしもその対局に負けていたら、心身ともにどっとくる疲れが残って今日を迎えたかもしれません。実際は勝って気分良くというところだったかもしれませんが、気持ちは高揚しつつも、体(脳?思考力のスタミナ)がついていかなかったんじゃないかなと。

 今回は対局場が横浜から東京という流れだったので、大阪に帰るのをスキップしての中一日だと思われ、もちろん、御本人も承諾済みで本当に強ければ勝つということかもしれませんけど...。スケジュール上仕方なかったかもしれませんが、タイトル戦は最低中2日、望むべくは中3日以上とかにして欲しいですね。昔、羽生さんが遠征先でタイトル戦をはしごして戦ったという逸話も聞きますが、それは本当に怪物...。今日の結果は残念でしたが、上に貼った写真からも分かるように、夕方になっても終盤の最後の最後まで背筋を伸ばし、懸命に戦い抜いた里見さんに感謝し拍手拍手を送りたい。

 

 そして、今日は何よりも勝った加藤さんを祝福すべきですね。西山、里見の2強時代なんて言うけど、どっこい自分を忘れるなと。それに、イベントや将棋教室、記録係など、対局以外でも熱心に活動を続けてきた加藤さんの勝利を、喜び祝う人は多いでしょう。

 

 さぁ、今度は倉敷でまた熱戦を見せてもらおうじゃないですか!(←お前が偉そうに言うなガーン