[将棋]大山康晴全集発売記念イベント参加レポ | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 平成も残すところあと数日となりましたが、2019年4月28日に東京、竹橋のパレスサイドビルにあるマイナビルームSで行われた大山康晴全集発売記念イベントに行ってきました。いやぁ、もうこれは最高でしたね!!藤井猛九段(というかテンテー)は、いつにもましてかトークが切れていましたし面白かったです。そして里見さんは、いつも通り、私の主観的判断では内面的にもビジュアル的にも世界一魅力的です。ということで、まずは写真をアップしていきます。

(これから本文書き始めますが、まちがいなく夜中12時を回ると思うので・・・、しばしお待ちを。。《当日28日夜に書いた時の話》)

 

写真アップ:イベントの様子

ここまで5枚は、オープニングのお二人のトークの様子

 

この3枚は、大山将棋の棋譜大盤解説の様子。里見さん、基本はゲラ体質?てんてーのトークを一番楽しんでたかも・・・、良かった良かった。

 

最後の3枚は質疑コーナー。ラストの藤井九段、目をつぶっちゃってますが悪しからず。。。

 

イベント内容
・オープニング挨拶(藤井九段、里見女流四冠)
・藤井九段が選んだ大山将棋棋譜解説2局(①、②)
・10分休憩
・里見女流が選んだ大山将棋棋譜解説1局(③)
・トークタイム(会場からの質疑応答)
・閉会挨拶
・藤井九段サイン会(「現代に生きる大山振り飛車」持参者のみ)
-----------------」
①第48期A級順位戦、平成2年1月10日、
   ▲高橋道雄八段、△大山康晴15世名人
②第41期名人挑戦決定リーグ戦(プレイオフ?)、昭和58年3月8日
   ▲大山康晴15世名人、△二上達也九段
③第31期名人戦七番勝負第2局、昭和47年4月18、19日
   ▲中原誠十段、△大山康晴15世名人
 元々は17時スタート~サイン会前で19時頃までという予定でしたが、藤井九段が乗りに乗って(明らかにサービスします、今日はやりますって勢いで)トークが炸裂し、嬉しい限りの40~50分延長でした。
 
イベント・トークの様子(記憶で書くので少し不鮮明ですが・・・)
 イベント開始に先立ち、マイナビの方から注意事項の説明がありましたが、写真撮影ok、SNSにもガンガン載せてokですと。結構そう言われるのは珍しい感じがしますが、楽しいイベントやってるということを宣伝してもらえれば誰も困らないし、大山全集ほかマイナビブックスの宣伝にもなるしという感じでしょうか?
 以後、藤井九段(藤)、里見女流四冠(里)のトークの様子を少し再現するよう努力してみます。適当に編集して書くので、嘘を書くつもりは全くありませんが、そのままの話言葉でないのと、ニュアンスが多少ずれているかもしれませんが、ご容赦を。あくまで雰囲気だけです…。
 
オープニング
藤:大山全集の棋譜並べをしたのは、四段に上がった時で、それまで全然興味が無かった。当時、将棋の本で4万円は高いので買う気がなかったが、丸山さんにプロなんだから1勝すれば元が取れると言われ、なるほどなと思って買うことにした。丸山さんから言われなければ今の自分はなかった。並べてみて初めて(その価値が)分かった。難しい。
里見さんは?
里:私が生まれたのは大山先生がちょうど亡くなった年なんです。
藤:えっ、じゃぁ、大山先生の生まれ変わり??
里&会場:爆  笑 ・・・
里:地方に住んでいたので勉強する機会が限られて、全集ではないんですが父親が持っていた本?で棋譜を並べていた。解説が書いて無いので雰囲気で並べていた。
藤:昔の将棋世界?には自戦解説記事が必ず載ってた。ただ大山先生は忙しかったので自分では書いていない。
会場:ww
藤:でも、里見さんが大山全集並べてるというの、分かりますよ。
里: えっ、本当ですか?照れ ラブラブ嬉しいです。
 
藤:大山先生は強くて精密機械って呼ばれていた。終盤が2回有ると言われ、手数も平均200手?とか長かった。それと同じ将棋を2回指さないし記憶力が抜群。(相手は忘れていても)10年ぶりでも覚えてたらしい。盤上も強かったが、人間的にも巧みで予選とタイトル戦で明らかに手(本気度)が違う。忙しかったので、指し手の時間が長い時は席外して連盟の仕事をしていた。。。
藤:3巻セットで2巻が無敵時代と書かれているが、実際には3巻の50代の頃が圧勝率が高かった。60代は流石に少し落ちてきた。
里:それは、どうしてだったんですか?
藤:その頃に(対戦相手の)居飛車穴熊が増えて、急戦や位取りの将棋と比べて抑え込んで勝つのを得意パターンにしていた。
里&会場:ほおっびっくりベル
藤:私は、何故か大山全集を2周並べたことになっているけど・・・。実は1巻は並べたことない。居飛車戦が多いから。だから、2周はおろか本当は1周も終わってない。
里&会場:ガーン
藤:そろそろ棋譜解説に行こうと思うけど、里見さんはどうやって選んだ?
里:大山vs中原戦を並べていたので、そこから選びました。
藤:それはいい。私の場合も、内容も大事なんだけど、名前も気にして選んでみた。
 
棋譜解説:高橋戦
藤:三段時代に一回だけ記録を取ったのがこの対局。
里:そうなんじゃないかと思ってました。大山先生の印象はいかがでしたか?
藤:威圧感のない普通のおじいちゃん。
里&会場:爆  笑
藤:私も、ほら三段時代は尖っていたから・・・。これはもう高橋勝ちだと思ってた。
★☆大盤解説を始めながら。手自体の解説は省略★☆
 
藤:昔は(後手で)みんな4三銀と上がって、あとはローテーションで5,4,3,2筋の振り飛車をその日になって「どうしようかなぁ」と選んでた。
里:びっくり 。そう言ってた訳ではないんですよね?
藤:みんな声に出して言ってましたよ。「どうしようかなぁ、って」。当時は景気が良かったから朝からK谷先生とか株で儲かったなんて話ばっかりだったから、記録係は笑いを堪えるのに必死だった。
里&会場:爆  笑
藤:この対局も対居飛車穴熊で、三間、四間飛車は(当時も対策が?)有るけど、本譜の中飛車で戦うってのはなかった。
藤:派手な手はないけど、ジリジリした手で、先手は何が悪くて負けになったのか分からない。それにびっくりした。
里:一番、印象深い手はどこだったでしょうか?
藤:△3七角成で、△1九角成と香を取らずに飛車を追ったところかな?9九の穴熊の玉は全く見ないで、飛車を封じ込めれば勝てるという・・・。
 
棋譜解説:二上戦
藤:この対局は指し手のコメントはなし。最後に「らしさ」が出ている。
藤:先手三間飛車だったけど、これは単にローテーションだから。
里:ww
藤:里見さんは3筋、5筋が多いけど、四間もお願いしますラブラブ!!
(女流王将戦解説時のえりりんとの約束?突っ込んできましたね!)
里: ええっ・・・ニヤリ 笑顔でかわす
藤: ダウンハートブレイク
 
藤:最後、二上九段が敢えて△4二同飛で、▲5一飛成の王手飛車に掛かって形作りをしようとしたが、代えて▲5三桂成!言い伝えでは、もっと苦しめるためにやったという。真相は分からないけど、厳しさというか凄みというか。。。やられた相手は忘れられない。
 
棋譜解説:中原戦
藤:これは、中原さんが最初に挑戦した名人戦で、その頃はもう結構二人でバチバチやっていた。第1局は中原勝利だったので、大山先生も本気モードだった。
★☆この対局は、大山名人が△5九と、とじっくりだかのんびり寄って、これで果たして間に合うのかという一手が入る★☆
藤:全部読み切りだったということになっている。時間はどれくらい残って(使って)ましたか?
里:△5九とは4分。その後も長くて△7三同玉の18分です。
藤:(王手されて同玉の一手だから)それはトイレでしょ。
里&会場:笑い泣き
藤:でも本当強いなぁ、どうしようって感じ。
藤:でも、このシリーズは大熱戦で、2勝3敗の中原さんが、大山名人の振り飛車には勝てないと諦めて、翌年のA級順位戦のメンバー見てもまた挑戦者になれるからって、開き直って第6,7戦は自分が振り飛車にしてそれで勝ってしまった。それも凄い話。(このくだり、後に中原名人から対談等で直接話を聞く機会があったそうです。)
里:中原先生の捌きもまた凄いんですよね。
 
トーク(Q&A)タイム
Q:プロの振り飛車党が少なくなったのは?
藤:昔から2割か3割。藤井聡太君ほどでなくても強い子供は、居飛車でも振り飛車でも終盤が強いと勝っちゃう。だから居飛車で十分って感じでプロになっちゃう人が多い。
里:振り飛車党の先生がタイトルを取れば増えるのでは?
藤:私も里見さんにいくらか影響与えてますかね?ニヤリ
里:出雲で前夜祭が有って、プロ棋士の皆さんにどうやったら強くなれますかって聞いて回った時(和さんと指切りしたのと同じ時?)、藤井先生と話しました。それで、自分より少し強い人と指すのが良いって・・・。
藤:ええっ、 ガーン覚えてない・・・。しかも、今と言ってること違うし。
 
Q:藤井九段が初手7八金でなく5八金にしたら勝てるようになったと2008年頃の将棋世界で書いてあったと思うが・・・?
藤:??違う人では?有るとすれば、ゴキゲン中飛車の対策をやっていて7八金型でなく5八金型で勝てるようになったということはある。
 
Q:昔と今の棋譜並べはどうか?どういう視点で並べると良いか?
里:私は早い展開よりゆっくりした将棋が好き。そういう力強さとかを感じられるのがよい。ところで藤井九段は1局並べるのにどれくらいの時間を掛けますか?
藤:私はゆっくり30分くらい掛ける。そうだなぁ、そう!僕の将棋を並べるのがいい!ニヤリ強すぎてヤバい!20代。七段時代が最強。
 
何故か 、キョロキョロ銀杏さんが手を挙げて質問・・・
藤:同業者はダメですよww
Q:よく羽生さんが大山名人は局面を読んでなかったと言ってますが、どうでしたか?あと50代で強くなった理由は?
藤:記録を取ってた時、そんなに読んでないという印象は無い。というか特別対局室の景色とか見てたwww。大山先生は定跡の進歩を嫌っていた。みんなが同じ手を指すとか。また、いつも本気モードで同じ手を指さずに悪い手も混ぜていた。周りの人は真似するだけで何が良い手か分からなかった。今と違って新四段とは角落ちくらいの差があったから何をやっても勝てた。あと詰将棋なんかやっても強くならないよと、(詰将棋作家の)二上九段の目の前で言ったりした。誰も大山先生の詰将棋の速度とか分からない。だけど、実はコッソリやってたかもしれないw。あと昔は序盤を研究するのは弱いからとされて終盤で勝つのが強いという風潮があった。それが変わったのは、55年組が台頭してからで、大山先生もその後は序盤が苦しくなった。
 
Q:AI時代?
藤:個人的には歓迎ではないがそういう時代なので仕方ない。みんなが勝つために角換わりを深く研究して、ただそれでファンの人が面白くないのでは仕方ない。ただ藤井システムも居玉で端歩突いて、面白いと思ってもらえたが、勝つために開発したもので、最初から喜んでもらうためにやったものではない。後からついてきたもの。プロ棋士の価値も問われている。
里:私はAIは形勢判断に使う。日頃は詰将棋とかで地力をつけるようにしている。
藤:では、こちら(アナログ)側だねニヤリ
里:www
 
閉会挨拶
藤:昔、アマの人と角落ちで指した。元奨とか有名な人でない。楽勝のつもりが完璧に負けてしまったので、どうしてそんなに強いんですか?と聞いたら、毎日朝5時に起きて、大山全集を並べていると。プロよりしっかり勉強している。 ですから、みなさんも大山全集買いましょう。
里:今日は皆さまお集り頂きましてありがとうございました。私も藤井九段の話を聞けて良かったです。また大山名人の棋譜並べで勉強して振り飛車等になれて良かったです。
(注:最後の里見さんの挨拶ですが、ここで言われた話ではなかったかもしれません。最後なので、ガッツリ聞いて、その場ではしっかり納得していたはずなのですが・・・。)