[将棋]秋の女流タイトル戦開幕 | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 今日は女流王将戦の第1局があり、囲碁将棋チャンネルで生放送を見ていました。私は昨日から実家に戻って今日の朝まで両親の介護の世話があったので、11時頃に帰宅してから放送を見始めましたが、意外と手が進んでいませんでした。あと有料の将棋プレミアムは全編中継だったようですが、お昼の12~14時までは放送中断で、13時までの昼食休憩は良いとしても13時以降の1時間は見られなくてちょっぴり残念。でも今日は里見女流王将が挑戦者の加藤奨励会初段に勝ったので嬉しいです。それで終局後に朝見損ねた部分を録画で見ました。

 振り駒で里見さんは後手になって、▲7六歩に△3二飛といきなり三間飛車。▲6八玉、△6二玉の次の5手目で加藤さんの手が止まり長考になって、午前中はゆっくりした進行となりました。前日インタビューで加藤さんは、里見さんの作戦を中飛車、三間飛車、あるいは居飛車も無くはないので幅広く対応したいような話でしたが、結構想定を外されたような戸惑いが感じられました。盤面が動き出したのは里見さんの16△4二銀で、元々2筋ノーケアみたいな形でさらに銀が逸れたので、17▲2四歩と駒がぶつかり、この局面で解説の阿久津八段は後手が本当にこれで凌げるのか不明、ただし里見さんが用意してきた研究手順のはずなので何もないことはなかろうけど、と凄く不安にさせるような発言を・・・。その後、結局は向かい飛車の形になり、角交換からお互い盤面に角を下ろし、飛車交換に加え再度角交換となって振り飛車が捌ける形になりました。その後、加藤さんの53▲2六飛と持ち駒を自陣に打っての頑張りにしばらく手が進んで、今度は里見さんの66△2六飛と打つ局面になり、後手ペースとなっていったようです。最後は1手半?差くらいあったのか里見さんが寄せの教科書みたいな手順で鮮やかに一気に寄せてしまいました。

 前日インタビューもそうですが、加藤さんはこの日を照準にコンディションを合わせてきたようですが、少し緊張感が強すぎたかもしれません。対局場がスポンサーの霧島酒造の用意する都城で、これは毎年恒例となっているので、里見さんにとっては慣れ親しんだ場であったのに対し、アウェー感は無かったでしょうが場に馴染むのに少し気を使われたかな?と。それで対局に入ってしまえば本来なら関係なくなるところだったのでしょうが、里見さんの2△3二飛が想定外で、なんだか自分のリズムを取り戻すことなく負けてしまったようです。対局後のインタビューでも力を発揮できずに消化不良で敗れたような悔しさを滲ませていました。

 一方の里見さんは前日インタビューで勝ち負けにはこだわるけれども楽しんで指したいと言われ、振り駒で後手番を引いたものの自分の構想で先に動いて、そのまま上手く指して勝ち切ったので快心の勝利だったように思います。阿久津八段の解説で、中盤いったんリードを奪ったものの、53▲2六飛の辺りではだいぶ先手も形勢を戻したのではとのことだったので、完璧ではなかったかもしれませんが、意欲的に指すと同時に対局前に膝上で両手を組んで黙想し集中して対局に臨む姿勢が最後まで崩れなかった感じです。持ち時間もだいぶ残っていたので余裕もあり読み筋通りだということなのでしょうが、たまにノータイム指しが入るとこちらはドキドキしちゃいますが、中終盤以降はかなり読み切っていたような感じでした。何はともあれ、次の第2局に向け好発進です。

 秋は女流王座戦で清水女流六段、倉敷藤花戦で谷口女流二段を迎え撃つわけですが、やはり今日の加藤さんが難敵だし、春の女流王位失冠後の最初のタイトル戦だったので、やっぱり里見強しを印象付けた一局になって良かったしホッとしました。もちろん女流王将戦もまだまだ油断できませんが、黒星スタートよりずっといい訳ですし。清水さんとの対局は、年齢は離れていてもお互いに尊敬しあう仲であり、里見さんから見て清水さんは最も尊敬できてなおかつ信頼できる相手なので、勝ち負けは別としても背筋がピンと伸びるような、いい意味での緊張感をもって番勝負を戦えるのかと思います。羽生竜王が言われていたように清水さんは今非常に気力が充実しているのでその点は注意が必要ということと思いますが...。倉敷藤花は2年前の再戦で、去年元気がなかった谷口さんが棋戦との相性もあるかもしれませんが今年は徐々に調子を上げてきて戻ってきた感じでしょうか?2年前には連勝記録を止められもしました。谷口さん自身も第3局を落とした後のインタビューで、抑えきれず涙を見せた悔しさはあるでしょうが...。どういうシリーズになるかは基本的には谷口さん次第という気がします。