先手加藤女王の居飛車に対し、後手西山挑戦者の四間飛車で、途中飛車銀交換の駒損ながら猛攻を仕掛けた西山さんが勝って一勝一敗のタイになりました。飛車を見捨てての気合の攻めを決めたという感じはありますが、よく分からないのでたぬきさん（うちの安いノートPC、一手15秒）で解析してみました。
序盤はソフトはだいたいそんな感じかというレベルで微妙に先手持ち。31▲４四角で一歩取って33▲７七角と下がったところで＋400点くらいと少し良し。35▲４五桂と跳ねて、37▲２二角成で飛車を取ったところでも（アマチュアなら一本取ったと万々歳なところでしょうが）+500は行かない位です。ちなみにこの局面の一手だけ延々と1分以上探索させたところ点数は結構揺れ動きますが、それでも+500は超えないようで、その後も緩やかに後手側に形勢が戻りつつも先手わずかに良しをキープというのがたぬきさんの見解。48△５五桂の金取りに実戦は自然な49▲４八金でしたが、49▲同馬、50△同金が推奨手順になっているようで、馬捨てるのかよぉ・・・と、ビックリ。その後も、今度は先手陣に入った後手の馬が飛車を追い掛けたりしながら、この辺は千日手の0点評価が何度も出てくるようで、単純に後手良しではなかったようです。その後も猛攻が続き、68△６八香の王手に69▲７八玉、70△６九香成までは調子よく攻めが続いているようでしたが評価値は微妙に先手に振れてましたが、71▲７七銀と上部を守りつつ逃げ道を開くのが良かったようで、71▲同玉でまた後手に振れました。続く72△４七歩も西山さんらしい金を叩く嫌らしい一手でしたが、まだいい勝負の範囲のようで、その後に1筋の馬がごちょごちょと動いて嫌みをつけていく過程で段々と後手優勢へとなったようです。
飛車が取られたのは痛いけど、それでも指せるというのと、自玉の後ろに爆弾が落ちたような70△６九香成を相手せずに71▲７七銀なのかぁというのがソフト解析を見ての感想ですが、やっぱり飛車を取られはしたものの敵陣に38△３七桂成から反撃に出て気合勝ちした、と思う方が自然なようにも思われます。。。