[将棋]態度は、はっきりしよう | 福間香奈さんを応援するブログ!

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 一部分だけですが、昨日の叡王戦九段予選のニコ生を見ました。対局自体よりも、ハイライトはやはり最後の渡辺竜王のインタビューだったと思います。昨年の三浦九段ソフト疑惑冤罪事件に関し、ファンの知りうる情報は全てでは無く不完全なまま突然に幕が降ろされた感じは残っています。将棋が完全情報確定的ゼロ和ゲームと言われるのに対し、この事件とその対処は言ってみれば、不完全情報、不確定的、非ゼロ和ゲームと言えるところがまったくもって皮肉な話です。簡単に言えば、よく分からないし、必然的でもなく偶発的要素を含み、誰かが勝って誰かが負けるのではなく、みんなが傷つきみんながそこから立ち直るべきである、そういう話なのだと思ってます。

 渡辺竜王のインタビューからは重く辛く感じているのがありありと見え、このような精神状態で成績が安定するとは思えないと見えました。私もよく分からないので、末端の一将棋ファンとしても態度をはっきりとは表明してきませんでしたが、さすがにもういいんじゃないか、そう思いました。新約聖書のイエスの言葉に「あなた方の中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」というのが有ります。結果的には将棋界を混乱させたことになり、三浦九段を傷つけたので判断を誤ったとは言えるかもしれませんが、万が一の自体によりスポンサーの意向でタイトル戦が消滅するような事態を怖れたためということであれば、一生引きずって悔いることではないのだと思います。事の大小は問わず、意図的に誰かを貶め傷つけ痛めつけるような心が有ったならば、それを実行しようがしまいが、罪は重く、真に悔い改めるまで良心に咎められ続けるものなのだと思います。

 少なくとも、谷川前会長の謝罪を聞き、中村修棋士会長のお詫びの言葉を聞き、渡辺竜王が三浦九段に直接会って謝罪をしたということを聞き、法的にも将棋連盟と三浦九段の間で和解が成立し、さらに渡辺竜王がニコ生の映像を通じて将棋ファンにも直接謝罪の言葉を述べた現在、もうこれでいいじゃないかと思います。既に当の三浦九段自身が将棋自体に専念できる環境を何よりも望んだという話ですし。もちろん新しい情報が出てくれば変わる可能性がゼロとは言い切れませんが、少なくとも今、私としてはこれで十分だと思っています。竜王戦で羽生二冠が勝つことを期待していますが、心身ともに本調子に戻った渡辺竜王と羽生二冠の対局にならなかったとしたら、将棋全体の敗北だと言いたいです。