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母は母のままで②
じつは母と淑子さんとは初対面ではない。
私が独身時代に勤務していた頃よりそれまで数回会わせたことがあったので
お互いのことは深くはないがある程度知っていた。
数年前より私が母を介護するようになったことを打ち明けると
淑子さんは何度か
「あら、良かったらお母さん連れてうちに遊びにいらっしゃいよ
」
と言ってくれていた。
母は他人の家に訪問するのも久々だったので、嫌がるかなと思ったら
意外とすんなりok
してくれた。
当時85歳の母も90歳でひとり暮らしの淑子さんに少し興味があったのかもしれない。
アパートに着くと淑子さんは
「ようこそ!わざわざ来てくださいましてありがとうございます。
汚い所ですがどうぞどうぞ
」
と明るく丁寧に迎え入れてくださり、母も
「こちらこそ呼んでくださりありがとうございます お邪魔します
」
と言って、玄関で靴を脱いで居間へ。
2人がけのソファに座ると
淑子さんは早速お湯を沸かしてお茶を入れてくれた。🍵
終始 杖をつき私に介助されながらのゆっくりとした動作の母とは対象的に
淑子さんはあきらかにテキパキとしていて、
声も話し方も相変わらずしっかりしていらっしゃる。
話題はこの年代にはお決まりの健康や病院のことが主だったが(笑)
話し上手でユーモアもある淑子さんとの会話は母も私も時間を忘れて楽しませてもらった。![]()
談笑している途中でも淑子さんはありがたいことに
「お母さん、体調はいかがですか?寒くないですか❓」
と母の体調を気遣ってひざ掛けを貸してくださったり、お手洗いの心配までしてくださった
1時間ほどして少し疲れた素振りを見せた母をみて私が
「そろそろ薬の時間なので失礼しますね 今日は本当にありがとうございました
」
というと
「そうね 引き止めたいところだけど・・・
初めての所に来て久々の他人との会話ですもの。お母さんもきっとお疲れになったと思うわ。
今日は楽しかったわ
お母さんもまたぜひ遊びにいらしてくださいね
」
こんなさり気ない言葉ひとつとっても、
どこまでも気遣いのある素晴らしい方
だとつくづく感じる。
そして最後に
「毎日こうして娘さんやご家族の方にいつもそばにいてもらって、
こんなに尽くしてもらえるなんてお母さんは幸せな方ですね
いったい過去にどんな善い行いをされてきたのかと思って本当に羨ましく思うわ」
信心深い淑子さんらしい言葉だった。
おそらくお世辞のない素直な気持ちを母に伝えてくださったと思う。
母は一瞬 間をおいて
「そうですね 本当にありがたいです。」と言って微笑んだ。
アパートの前に停めていた車に母と乗り込むと🚗
淑子さんはいつものようにサンダルを履いて外に出てきてくださり
車が見えなくなるまで手を振り見送ってくださった。(^.^)/~~~
有難うございました!淑子さん![]()
さあ、はたして母は
なにかを感じてくれたのだろうか・・(笑)
③へつづく
