皆さん、ご存知でしたか?
私たちが2,3か月に一度主催する
には次のような参加条件があります。
\ 参加条件 /
絵本を手元に用意しておくこと
この参加条件は、
Willy-Nilly(以降「WN」)を始めた
当初から決まっており、
開始以来変わっていません。
この参加条件について、
3回に分けて解説します。
百聞は一見に如かず
絵本について語るとき、参加者たちは、本全体についても話しますが、そのうち、絵や言葉を引き合いに出して語り始めます。
たとえば、これは実際に私が参加した 第7回 Willy-Nilly での出来事なのですが、ある参加者が次のようにご自身の意見を述べていらっしゃいました。絵本:Peter H. Reynolds 著『The Dot』(Candlewick Press, 2003)について
作者は、登場人物の気持ちを、表情だけでなく、背景の色でも表現している気がするんですよね。★ページではふつふつと怒りをたぎらせているから◯色。でも、★ページでは熱中して絵を描いていて、気持ちが充実しているから◯色で… ほら、すべてのページで色が違うでしょう?
その解釈を聞いた私や他の参加者たちは、手元の絵本をめくりながら、
と新しい考えに刺激を受けたり、
と勇気をもらえたり。
でも、もし手元に絵本が無かったら、解釈を聞いてわかった気にはなれたとしても、そこまで強く共感することはなかったでしょう。「百聞は一見に如かず」なのです。
しかも、実際に絵を見ながら解釈を聞いた私は、1か月以上経ったいまでも、絵本のその場面を思い出しますし、それと同時になんだか気持ちがポカポカと温かくなってくるのです。
WNでは、他の人から新しい解釈を聞いたときに、心の底から共感できるよう、参加者には手元に絵本を用意してもらうことにしています。
ぜひ多くの人にWNに参加して「百聞は一見に如かず」を体感していただきたいです
著作権への配慮
第二の理由は、著作権に配慮しているためです。
WNは、著作権に配慮して
- 参加費は無料です
- カメラに絵本を映して読み聞かせることはしません
- YouTubeなどの動画投稿サイトに絵本および絵本の読み聞かせを投稿しません
絵本の楽しさを分かち合うために、カメラに絵本を映して読み聞かせたくなる気持ちはわかりますが、私たちはしません。
それは、ひとえに著作権に配慮しているからです。
その代わりに、参加者が ‘独りで本を読む’ 時間を設けています。このとき、参加者ひとりひとりの手元に絵本がある必要があるのです。
特に、色々な人の解釈を知った後で、あらためて手元にある絵本を読むと、それまでとは異なる視点で読むことができて、とても楽しいのです。
私は毎回、この独りで読む時間を楽しみにしています。前述の『The Dot』などは、何度も読んだことのある大好きな絵本でしたが、WNでいろいろな人の話を聞いてから読むと、新鮮な気持ちで読むことができました。それはもう、しあわせな時間でした。
他の参加者たちと交流する時間と同じくらい、独りで読む時間は大切なんですね。
WNでは、(著作権に配慮して)絵本をカメラで映し出して読み聞かせない所為で参加者には手元の絵本を独りで読んでもらっています。そのため、参加者には手元に絵本を用意してもらう必要があります。
このように、著作権のことを心配せずに済むため、WNは、日頃から著作権に配慮して活動している絵本専門士、図書館関係者、出版関係者、法律関係者など、どなたでも心おきなく参加できるリーディングサークル となりました。
ぜひ、英語の絵本に関心のある皆さま、ご参加をお待ちしております
文:鈴木祐子(きっぱ)
絵本専門士
東京(自由が丘)