9月17日の告示から4人の候補により論戦を繰り広げていた自民党総裁選挙の開票が行なわれ、岸田文雄 新総裁が誕生しました。

その政策をまとめてみました。

 

●新型コロナ対策

コロナとの闘いには、今後とも国民の皆さまの協力が不可欠であり、政府方針への納得感が必要です。私は、方針の内容•必要性•決定過程について、自ら丁寧に説明します。 

 また、危機管理の要諦は、最悪の事態の想定です。「多分よくなるだろう」ではなく、常に最悪の事態に備え、対策を講じます。

 当面の目標は、ウィズコロナを前提に、通常に近い経済社会活動を一日も早く取り戻すことです。そのために、希望する対象者全員のワクチン接種完了と経口薬の年内普及に全力で取り組みます。

 それまでの間は、国が主導して病床•医療人材の確保を徹底し、皆さまが安心して人流抑制にご協力いただけるよう、数十兆円規模の経済対策を実施します。

 その上で、電子的ワクチン接種証明の活用と検査の 無料化・拡充により、経済社会活動の再開に全力を尽くします。

 そして、将来の感染症危機に備えた法改正、司令塔機能を持つ「健康危機管理庁」(仮称)の創設を図ります。

 

●国民を守り抜く外交・安全保障

外務大臣を戦後最長の48か月務める中で築き上げてきた「信頼」を基礎に3つの「覚悟」をもって外交・安全保障を進めます。

 第一に、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く覚悟です。権威主義的体制が勢いを増す中、台湾海峡の平和などに、米欧豪印などとともに毅然と対応していきます。

 第二に、我が国の領土・領海・領空を守り抜く覚悟です。海上保安庁の能力強化、自衛隊との連携強化、ミサイル防衛力の強化、国家安全保障戦略の改定などに取り組んでいきます。

そして、地球規模課題の解決を主導し人類に貢献する覚悟です。地球温暖化問題、核軍縮・不拡散、災害対策などの課題で、リーダ一シップを発揮していきます。

 なお、北朝鮮に対し、国際社会全体として圧力を最大限高め、核・ミサイル開発の完全な放棄を迫り、全ての拉致被害者の即時一括帰国を目指します。北方領土問題についても、「領土問題の解決無くして、平和条約の締結無し」を堅持した上で全面返還のための多角的アプロ一チを進めます。

 

●新しい日本型資本主義

規制緩和、構造改革などの新自由主義的政策は経済の体質強化と成長をもたらしました。その一方、富める者と富まざる者の分断も生じています。

 今こそ「成長」と「分配」の好循環による「新しい日本型資本主義」を構築し、全国津々浦々、成長の果実を実感していただくときです。

 まず、「成長」については、頑張る企業の挑戦・投資を大胆に支援します。「科学技術&イノベーション」をど真ん中に据え、新たな産業を興し、スタ一卜アップを徹底支援します。また、担当大臣の設置など経済安全保障に万全を期します。

 「分配」については、民間での分配強化のため、企業が、長期的な視点で、従業員・取引先も含めた「三方良し」の経営を行うことができるよう、基本的ル一ルを見直します。また、下請けいじめゼロに向け、取引適正化を進めます。

次に、公的な分配の強化により、所得を引き上げる 「令和版所得倍増」を目指します。子育て世帯にとって 負担の重い住居費・教育費への支援を強化します。また、賃金が公的に決まる看護師、介護士、保育士などの 皆さまについて、公的価格を見直し、収入を思い切って引上げます。

 

●地方こそ主役

新たな日本型資本主義の主役は地方です。

東京一極集中を是正し、成長の果実を地方・中小企業に分配します。

 5Gなどのデジタルインフラの整備を進め、デジタル技術を地方から社会実装し、都市と地方の物理的距離を 乗り越える「デジタル田園都市国家構想」を実現します。

 また、国際競争力を維持する交通・物流インフラの整備を進めるとともに、「災害に強い地域づくり」を進めます。

 そして、地域を支える農林水産業について、多面的機能の維持や食料安全保障の観点から、支援を強化します。更に、地域の商工会・自治会などの支援、地域の祭りの再開支援、観光業支援、地域の文化・芸術への支援などに取り組みます。

 

●新しい日本型新本主義

 「信なくば立たず」、自民党のガバナンス改革を断行します、

 自民党が多様性と包容力ある国民政党であり続けられるよう、党役員に中堅若手を大胆に登用し、自民党を若返らせます。また比例73歳定年制を堅持します。「政治と金」の問題については、丁寧に説明し、透明性を確保します。こうした刷新を進めるため、総裁を除く役員任期を「1期1年・連続3期」までとすることで、権力の集中と惰性を防ぎます。

 

●その他

私は「10年以上、国民の皆さまから伺った声をノートに書き溜めてきました。このノートを読み返し、私にはやるべきことがあると確信しています。「国民の声を聞く政治」、「丁寧で謙虚な政治」、「多様な意見に寬容な政治」を実現するため、 私の全てを懸けて臨みます。