今年 3月7日から始まる京都コングレスに向けた実行委員会が開催されました。

 

国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)は、犯罪防止・刑事司法分野における国連最大の国際会議で、犯罪防止・刑事司法分野の専門家が、安全な国づくりへの諸課題について議論しつつ、その知見を共有し、より安全な世界を目指して協働することを目的としています。

 

世界には未だに、民主制に基づく法の支配が貫徹されていない国が多く、このような国際会議を通じて、より成熟した国づくりへの機運を盛り上げる必要があります。また、民主主義の盟主と考えられてきた国が、国の代表者を選ぶ選挙において大きな混乱を招いたり、民主主義とは逆行するクーデターが現実に発生している状況を見ると、このコングレスを通じて、安全な国づくりの在り方について、各国が議論を活発にすることは大きな意味があります。

 

更に、コロナ禍により差別が発生し、人権が侵害されているなかで、ポストコロナの時代における「法の支配による人権の守られた安全な国づくり」のために、刑事司法が果たすべき役割は益々大きくなっております。

 

 特に日本は法の支配が行き届いた国であり、刑法犯も大きく減少していることから、このコングレスを通じて日本における犯罪防止の状況を発信することで、我が国の特性を理解してもらう有効な機会にもなると思います。

 

このコングレスは、当初は昨年4月に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス・パンデミックにより開催延期となり、大規模な国際会議であることから、本当に開催できるのか不安もありましたが、来場参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド方式で開催されることになりました。

 

コングレスは5年に一度開催されるもので、我が国では1970年に欧州以外の国として初めて京都で第4回コングレスを開催して以来、およそ50年ぶりの日本開催で、コロナ禍で延期を強いられた後ですから、おのずから気持ちが高揚します。

 

本日の実行委員会では、国連、関係省庁、開催地である京都との連携・準備状況を確認するとともに、万全の感染症対策により、安全な大会となるよう、法務省を挙げて最終的な準備を進めることを確認しました。

 

ホスト国として、また、日本代表団の団長代理として、最善の体制で臨みたいと思います。