「災害の季節」を向かえた。「天災は忘れる暇(いとま)もなくやって来る」と言いたくなるほど、災害が頻発しているのであるから、取立てて「災害の季節」と言う必要もないように思われるが、これからの季節は更に災害が発生しやすく、防災への備えに力を入れようという意味で、再認識すべきで概念である。

 

9月1日は「防災の日」、1960年に創設されたことから今年でちょうど60年になる。

 伊勢湾台風が創設の契機とされ、台風や高潮、津波、地震などの災害に備 ることを目的としている。

 因みに、9月1日は関東大震災(1923年)の発生した日であるが、台風の発生しやすいこの時期に、災害への備えを再認識することには大きな意味がある。

 

自然災害の最近の発生状況をみると、7月の長い梅雨期に九州から中部、東北地方にかけた広範な地域で豪雨災害が発生し、83人の死者(9月3日現在)、18,335軒の住家被害のほか、農業や地域の産業に甚大な被害を及ぼした。 

 

梅雨が明けると、すぐに「危険な暑さ」が襲来して、8月1日から30日の間で、41,339人(速報値)が熱中症により救急搬送されている。9月3日の報道によると、8月中の死者数が東京23区だけでも193人(速報値)に及び、1か月の死者数が過去最多を記録した。

 日本歴代最高タイの41.1℃が浜松市で記録され、8月における府県別高温注意情報の発表回数は実に1,101回に及んでいて、高温注意情報の発表が無かった日はなかったというのであるから、凄まじい。

 

熱中症対策としてエアコンを切らないようにと呼びかけているが、エアコンが設置できない経済的に困窮している人にはたいへん酷である。

 コロナ禍に比べて報道の扱いが少なく人々の関心・理解が浅いが、積極的な対策が必要である。日中の直射日光から逃れ、熱帯夜に避難するシェルターのようなものを設置する必要があるだろう。

 

さらに今、台風第10号が猛烈な勢力となって沖縄地方に向かっており、気象庁がこれだけ早い段階で『特別警報を発表する可能性がある』と言及するのは極めて異例で、恐るべき状況だ。

 今後九州地方に上陸することも予想され、暴風や高波、高潮、大雨などによる災害が発生するおそれがある。なんといっても最大瞬間風速が80メートルを超えるとの予想もあり、想像を絶するものであることから、十分な備えや早期の避難が非常に重要である。

 

折しも、今年3度目の震度5弱以上の地震が、今日の午前9時10分ごろに福井県で発生した。

 まさに、災害の種は尽きず、政治・行政の施策と人々の防災への意識をさらに強くして、防災・減災を図らなければならない。