著作権者の許可なく、インターネット上に漫画などの著作物を掲載した「海賊版サイト」からのダウンロードを違法化する改正著作権法案が成立しました。

 

「漫画村」(184月に閉鎖)などの海賊版サイトによる著作権侵害が相次いだことから、海賊版と知りながら保存・閲覧する行為の規制を強化すべきだとの声が高まっていたことが、この改正の動きになりました。

 

日常的にネットを活用して情報収集をするような時代になっているなかで、これを萎縮させないようバランスをとって、今回の改正では軽微な事例を規制対象外にするなど、ユーザーに配慮する措置が取られました。

 

これまで映像と音楽に限定していたダウンロード規制を、著作物全般に拡大して、無断で掲載されたと知りながら、ダウンロードをする行為を違法とするほか、海賊版に利用者を誘導する「リーチサイト」の運営についても規制しました。海賊版サイトを封じ込める実効性を確保するためには、当然必要なことです。

 

スクリーンショットへの付随的な写り込みや、数十ページの漫画のうちの1コマ~数コマのダウンロードなどを、軽微な事例として規制の対象外としています。「著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合」を違法対象から外しました。

 

他方、漫画1話の半分程度や4コマ漫画の1コマ、記事の半分程度のダウンロードは違法となります。文化庁はこうした線引きを指針としてまとめ、より分かりやすいQ&Aを作成する方針です。

 

どのようなものが違法になるのかを明確にして、創作活動が促進されるようにすべきです。それが我が国のクールジャパン戦略、ソフトパワーをより強化することにつながります。

(改正法は令和311日に施行されます。リーチサイトの規制については今年101日からとなります。)