今春の習近平主席の国賓としての訪日には、多くの批判的な意見もありましたが、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、延期されました。しかし、あくまでも延期なので、いつかは実施されるのか、現在どのようになっているのか、誰しも気掛かりです。

 

 河野防衛相は、コロナウイルス禍で延期となっている中国の習近平主席の国賓招待について、中国政府が国防予算を6.6%増やしたことや、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国軍機の接近による航空自衛隊の対領空侵犯措置や中国公船による領海への侵入などが相次いでいることを挙げ「非常に強く危惧する」と表明、習主席の国賓招待について、現在の新型コロナの状況では難しいとしました。

 

 自民党の外交部会は5月29日と6月4日の2度にわたり、中国の対応を非難する決議をまとめ、中山部会長が菅官房長官に対して国賓招待の再検討を要請しました。中国公船が沖縄県・尖閣諸島周辺で繰り返す領海侵入を非難し、あらゆる手段を使って阻止するよう求める決議文を提出しています。

 

 菅官房長官は4日の会見で「全体の状況を見ながら、意思疎通を続けていく。現時点で少なくとも具体的な日程を調整する段階に現在はない」と述べているので、自民党からの要請の趣旨を理解されていると思います。

 

 米国と中国の関係も新型コロナウイルスに関係して、最悪の状況にあります。さらに、中国政府が5月28日に新設を決定した香港の統制を強化する「国家安全法制」を巡り、米欧などで反発が高まり、日本国内でも非難されています。

 

 何より、我が国がコロナ禍で苦しんでいるときに、軍事的圧力や中国公船により領海侵入することは許し難く、とても国賓として招待するような環境にはありません。

 これは、我が党の外交部会等での思いでもあり、私どもに直接寄せられるメールでも、なんとしても習主席の国賓招待が復活しないようにして欲しいと要望されてます。