黒川検事長が緊急事態宣言が出されているさなかに、新聞記者と掛けマージャンをしていたという電撃的な報道には、驚きました。「複雑困難な事案の対処のために必要」と法解釈の変更までして定年延長をした人物であるから、なおさら衝撃は大きい。

 

 このタイミングで法務委員会が開催され、その詳細な内容の説明が求められ、厳しい批判の声が投げかけられました。

 法務省の調査結果では、金銭を賭けてマージャンをしたことを本人も認め、約3年前から同様のメンバーで月に1、2回おこなっており、1~2万円程度の現金のやりとりだったようです。さらに、ハイヤーに便乗して帰っていたという。

 黒川検事長は辞職願を出して承認され、法務省は「訓告」の処分をしました。

 森法務大臣は安倍総理に進退伺を出したが強く遺留され、今後の後任人事や、辛い道ではあるが信頼回復のためにできることをしたいと述べています。

 

 質疑では、処分が訓告では軽すぎるのではないか、今後の人事について、余人に代え難い人材の後任が見つかるのか、余人を持って代え難いなら、慰留しなかったのかなどの発言がありました。

 今週の26日(火曜日)にも法務委員会が開催されるので、この問題の議論に集中しそうです。

 

 黒川検事長の定年延長は議論を呼びましたが、係る非違事件とともに、結果的にその判断が誤りだったと批判されるだけの効果しか、発揮しませんでした。

 検察官の職責が特殊でその独立性ゆえに、人事においてもその自律性に任せるべきだという主張は、検事長のこのような非違行為によって、はなはだ危うい考えであることが、図らずも示されることになったのです。

 

 私は、検察官人事においても民主的統制が重要で、行政の中の独立した別の意思だけで適正性が保たれるという考え方には与しません。

 私のところにもメールなどで、検察官がこのような問題を起こして、子どもの教育にも悪影響があり躾けができなくなるなどの、批判が寄せられています。しっかりとした、検察の信頼回復に向けた努力が必要です。