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 セレニタは彼の母のマリア に「ママ。ぼく麦の刈り入れをするよ」と言った。するとマリアは「貧しい人が取れるように、隅の麦は残しておきなさい」と言った。セレニタは麦の収穫を始め、隙を見て石を部屋に持ち込んだ。収穫が終わると、セレニタは部屋に戻って来て、金槌で石を叩き壊した。すると、石の中から冬眠しているカエルが出て来た。それはフライシュマンガラスガエルに似ているが、大きさはクツワアメガエル程であった。そして腹部の皮膚が透明であったが、内臓ではなく、機械のような物が透けて見えていた。そして、彼はインスタントラーメンを持って、声を張り上げて「ヌイユ!」と言うと、次に「グルヌイユ!」と言ってカエルをドンブリに入れて、お湯をそのドンブリの中に注いだ。するとカエルは冬眠から覚めて「熱ちちち!」と叫んでドンブリから飛び出した。そしてカエルはセレニタの銀のサークレットを見ると、前腕部の外殻が、肘を軸にして二つに割れて開き、両端にカエルらしい四本指の手と人間のような五本指の手が付いてる棒が、半分程の長さの肘から生えた棒の先端を軸にして回転してから、外郭が元通りに閉じて、人間のような手に変身して、脚も、脛の外殻が膝を軸にして二つに割れて開き、前腕部と同様に、カエルらしい五本指の足と、人間が靴をはいたような形の足が両端についた棒が、半分程の長さの膝から生えた棒の先端を軸にして回転してから、外殻が閉じて、脚の変身が終わると、二本足で立ち上がってお辞儀をして「我らの王子イノゴ・マトゥサレン・ペドロファウノ8世様」と言った。そして更にカエルは言った。「私はあなたの僕のカエサルと申します。あと二人の僕もおります。彼らは蛇のプトレマイオスとナメクジのセレウコスでございます。」

 当初はバビル2世の真似をして、喋る黒猫を僕にする予定でしたが、石を叩く絵を描いてる途中で、隕石から冬眠中の宇宙ガエルが出るなんて事を思いついてカエルを描いてしまいました。カエルに名前をつける時、アンティゴノスを忘れていて、カエサルと名付けました。カエサルはスペイン語ではCésarと書いてセサルと読むべきですが、カエルのカエサルという言い方が気に入ってましたし、宇宙ガエルですので外人みたいな名前でもいいだろうと思ってカエサルのままにしました。ちなみに日本語の漫画では、単にカエルをドンブリに入れてお湯を入れてるだけでけど、英訳する時に、同級生がフランス語を習っていたので、ウケを狙って、フランス語の駄洒落を書き足しました。ラーメンはフランス語でヌイユ(nouille)であり、カエルはグルヌイユ(grenouille)ですから、英訳する際に、ヌイユとグルヌイユを引っ掛けた駄洒落を言わせました。漫画の絵では、カエサルは、カエルらしい四本足の時と、人間みたいに直立している時があるので、英訳した後、手足がZZガンダムのように変形する場面を書き足しました。セレニタも父親も共に、最初はフライシュマンガラスガエルがモデルのロボットを作ったので、カエサル自身が、フライシュマンガラスガエルに似てないとおかしいと思って、カエサルをデザインし直しました。フライシュマンガエルガエルは、おなかの皮膚が透明で、内臓が透けて見えてて、グロいですから、冗談半分に、中身を機械にしました。