今年の貯金、残っていますか? | 太田忠の縦横無尽

今年の貯金、残っていますか?

金曜日は過激なマーケットだった。


寄り付き直前のわずか1時間足らずのうちに、あっと言う間に円高が進み1ドル84円台に乗せた。それを受けて、東京市場は寄付きから急落。徐々に戻す展開であったものの、午後から再度急落し日経平均の終値は9081円。イブニングセッションでは先物がちょうど9000円まで下がり、いよいよ危険水域に入り込んできている。


2009年は3月から相場が反転し8月までは順調に上昇を続けたものの、11月の下げで年初来パフォーマンスがマイナスになってきている。日経平均こそかろうじてまだ+2.5%であるが、Topixは-5.6%、Topix smallは-5.5%、ジャスダック平均は-6.5%という結果になっている。


皆さんの年初来のリターンはちゃんとプラスだろうか? フルインベストメントでやっている人たちは非常に厳しいと推測される。そのスキームの代表格である投資信託もこれまで積み上げてきた貯金を一気に吐き出してしまった。


投資信託の最大の問題は手数料の高さだ、というのが世間一般の意見のようだが、私から言わせればそれは決して最大の問題点ではない。一番重要な問題はフルインベストメントであるが故に、時間的分散投資を最初から放棄していることである(投資リターンは買ったタイミングだけでほぼ決定される)。「投資信託を買ってはいけない」「投資信託に気をつけろ」などの書籍や雑誌の特集ではこんな大事な点がまるで触れられていない。要するに何もわかっちゃいない、ということだね。


個人投資家はフルインベストメントをする必要はない、というのが非常に大きな強みなのだが、実行しているだろうか? 弊社のインターネットによる個人投資家向け「投資講座」では会員に対してこの点を口を酸っぱくして講義しており、下げ局面ではキャッシュが積みあがるので下落こそ投資チャンスが増大する。皆ワクワクしているはずである(笑)。


ところで、あなたの「リスク管理」は大丈夫ですか?


太田忠の縦横無尽 2009.11.28

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