開業するに当たって、そして今もだけど僕はどっかのクリニックを参考にした・あるいはしてるつもりは一切ないんです。


よく「開業成功の秘訣は?」などと開業前の医師から聞かれたり取材受けるけど、たとえばそれに対する回答を僕がしたとしてその誰かが僕と同じようなことを実践したとしても、それが同じ成果をもたらすとは限らないわけで。


医者が開業して安泰、って時代はとうに終わってると僕は思ってて今後は厳しい過当競争に突入するもんだと考えてます。

少子化が進んでるわけで僕ら小児科は特にね。


何度も書いてきたように、僕ら開業医ってのは運営がうまくいかないと従業員を養うこともできなくなり、結果自分のやりたい医療すら提供できなくなるわけで、いかにして収益を上げるかってのを重要視しなければなりません。



ダメなクリニックはどんどん淘汰されていく時代。

いかに生き残るかが大事なんだと考えてます。


開業を目指す医師向けのセミナーなんてのも盛んに開かれてるそうですが、そんなん僕は行ったこともありませんでした。


成功事例(あるいは失敗事例)を学んだところで結局そこの二番煎じでしかなく、そんなことでは過当競争には生き残れないと考えてるからです。




話を戻すけど、僕は開業にあたって、子供の頃からの目標だった小児科開業医として「こんなことしたい!」と夢見ていたことや、それこそ医者になってキャリアを積む中で「これは取り入れたい」とか「こんなことしたら面白いんじゃないの?」と思ったことを迷うことなく取り入れて実践してきたにすぎません。


そこに他のどこそこのクリニックがこうしていた、ってのを(まあ多少はインスパイアされたことはあるでしょうが)参考にして取り入れたりしてるつもりはなかった。



他がどこもやらないようなことをやる、これがそれこそ過当競争を生き残るための僕の「秘訣」でしょうか。



それは非常にリスキーなことでもあります。

川崎市に1個もない病児保育事業を始めたのだって、まあ結果的には失敗し莫大な借金を今でも返し続けてるわけで・・・


でもそれくらいの覚悟と信念がないと開業なんてできないと最近では悟りつつあります。




40過ぎて僕の同級生でも開業に踏みきるやつらが増えてきました。


ある医者から「どうしても患者が増えない」と相談されたことがあります。

その医者は僕をまねて待合には水槽を置き診察室にはガチャガチャを置きフルミストの接種をして、、、


俺の猿真似したって成功するわけねえじゃん!と。


真似したところで、オリジナルには及ばないか上手くいっても同等にしかなれないわけで、その段階でもう意識が低い。


意識の低さはそのまま結果に現れるもんです。





・・・などと偉そうに書いてきましたが、実は僕は開業に当たって一つだけ参考にした医院があります。


それは実家近くにある動物病院。




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初公開、うちの愛犬「景虎」は生まれつき肝臓の病気を持っていて、たまたま実家に帰ってるときに診察してもらった際に、そこのクリニックとその先生の素晴らしさに感動し、以来8歳になる今にいたるまで毎月埼玉まで通院しています。

何かあったら車を飛ばして埼玉まで連れて行きます。



遠くてもいいから是非かかりたい、、、そう思えるクリニックの見本とさせてもらってます。