僕は必要性が高いとき以外には抗生剤は絶対に出さない治療方針です。


が、大人は別だったりします。


よくお子さんと一緒にパパママのお風邪も診て差し上げるのですが、こういった場合には結構な頻度で抗生剤を出してます。

受診されたことがある方ならご存知でしょう。


もちろん理由があって、一つはとにかく親が治ってくれないとお子さんの風邪も治らないから。


とにかく子供は風邪をひくものだしそれはある程度は避けられないのですが、それでも一番接する機会の多い親が風邪ひきっぱなしだと子供もいつまでたっても治りません。


なので僕は親には結構ガッツリと薬を出して一気に治すようにしてます。


「風邪に抗生剤は効かないじゃないか」と言われるかもしれませんが、風邪に伴う細菌感染の合併が風邪を長引かせるものであって、それを抗生剤で予防することで回復が早まるのは確かです。


なので抗生剤をだしまくる医者にかかったほうが風邪が早く治る、ってのはある意味事実ではあります。


でも、年中風邪ひきっぱなしの子供に風邪のたんびに抗生剤を出してたら一気に耐性菌が出来上がってしまうため、子供の場合は風邪のたびに抗生剤を出さないわけです。

(もちろん細菌感染が確認されたら抗生剤を使いますが、あくまでも確認された場合だけです)


親の風邪を早く治すことが子供の風邪の治療や予防につながるわけなので、とにかく抗生剤を使って治してしまおうとするわけです。



理由はもう一つあって、上記と多少かぶりますが、大人の場合は風邪をひく頻度が少ないからです。


年に10回も20回も風邪をひく子供とは違い、大人は場合によっちゃ数年に一度くらいだったりします。


そんな時にクラビットやオゼックスくらい使っても、まあ罪は重くないと考えるわけです。

少なくとも風邪ひくたんびに毎月のようにオゼックス出すよりはね・・・


何よりパパママにはさっさと治っていただきたいと考えるわけです。



風邪に対して頑なに抗生剤をださない頑固一徹というわけではなく、このように状況により柔軟に対応する場合もあります。


あくまでも大人の話ですがね。